東京銀座クリニック
 
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●肺がんの補完・代替医療

早期の肺がんは手術によって根治することは可能です。しかし、肺がんの場合は、検診で見つかったような場合でも、すでに転移していて手術ができない場合も多く見られます。たとえ手術できても、再発する率が高いのが肺がんの特徴です
このような進行がんの場合、抗がん剤治療が主体になりますが、抗がん剤でがんを消滅させることは困難であり、数ヶ月の延命効果が期待できる程度です。最近は、分子標的薬のような新薬も開発され、一つの方法で効果が無くても、第2、第3の抗がん剤治療が用意されており、このように複数の抗がん剤治療を行うことによって治療効果があがりつつあります。

肺がんによる死から免れるためには、根治手術後も積極的に再発予防に有効な方法を実践することが大切です。
抗がん剤治療の場合も、副作用の軽減や効果増強に有効な補完・代替医療は多くあります
進行がんや末期がんの状況でも、生活の質(QOL)の改善や延命に有効な代替医療は多くあります標準治療の効果が出なくなって緩和治療に移行せざるを得ない場合でも、効果が期待できる代替医療を組み合わせることによって、延命することは可能です

1)COX-2阻害剤
肺癌はシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)の活性が高いことが多いので、COX-2阻害剤のセレブレックスを併用することは有用です。セレブレックスには、肺がん細胞の抗がん剤感受性を高め、抗癌剤の副作用を軽減する効果も報告されています。
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2)アルテスネイト
マラリアの特効薬として使用されているアルテミシニン誘導体製剤は、多くの悪性腫瘍に対して殺細胞作用を示すことが報告されており、サリドマイドやセレブレックスとの相乗効果が指摘されています。血管新生阻害作用も報告されています。
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3)サリドマイド
血管新生阻害作用や悪液質改善効果を有するサリドマイドは単独では肺癌に対して効果は低いのですが、COX-2阻害剤のセレブレックスやアルテミシニン誘導体などと併用することによって癌の進展を抑制できる可能性が報告されています。
小細胞性肺がんに対するサリドマイドの有効性が報告されています。
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4)ノスカピン
ノスカピンは咳止めとして使用されますが、細胞分裂の時に重要な役割を果たす微小管の働きを阻害する作用があるため、がん細胞の増殖を抑える効果があります。内服で効果があり、副作用の少ないという特徴があります。臨床試験で肺がんに対する有効性が報告されています。
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5)抗がん漢方薬
肺がんに対する抗腫瘍作用が経験的に知られている生薬として半枝蓮、白花蛇舌草、竜葵、夏枯草、莪朮、三稜、喜樹、七叶一枝花などがあります。これらの抗がん生薬に、病状や体力に応じて滋養強壮薬や免疫力を高める生薬などを組み合せた漢方薬を服用すると、がん細胞の増殖を抑えると同時に、がんに対する抵抗力や治癒力を高めることができます。
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6)その他
その他、ω3系不飽和脂肪酸のドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)のサプリメントは、COX-2阻害剤の抗腫瘍効果を増強します。
メラトニンは不眠に使用されるサプリメントですが、免疫力や抗酸化力を高め、抗がん ワ剤や放射線治療の副作用を軽減し、抗腫瘍効果を高めることが報告されています。抗がん剤や放射線治療、緩和医療と併用して延命効果があることが臨床試験で示されています。
IP-6 & Inositolは、悪性腫瘍に対する免疫力の中心であるナチュラルキラー細胞活性を高める効果や、癌細胞の増殖を止める作用が報告されています。
ウクライン(Ukrain)は、免疫力を高め、腫瘍血管の新生を阻害し、腫瘍細胞にアポトーシスを誘導する作用が多くの腫瘍で確認されています。
ジクロロ酢酸ナトリウムの服用によりがん細胞のアポトーシスが起こりやすくなることが報告されています。

がんの進行状況や、体力や免疫力の状態に応じて、組み合わせを考えます。
正常細胞に対する毒性が少なく、抗がん剤のような副作用が少ないので、QOL(生活の質)を悪化させないで、がんの進行を抑えることが可能です。うまく効果が噛み合うと、がん組織の縮小も可能です。

● サリドマイド+セレブレックス+アルテミシニン誘導体の相乗効果
サリドマイドのような血管新生阻害剤を使用すると腫瘍は低酸素状態になるため、hypoxia-inducible factor-1 alpha (HIF-1α、低酸素誘導性因子1α)という転写因子が活性化されて、低酸素の腫瘍細胞に酸素を供給するために血管新生を促進しようとします。

癌細胞はトランスフェリン・レセプターの発現が強く鉄を多く蓄積していますが、HIF-1αにはトランスフェリン・レセプターの発現を高める作用もあるため、低酸素の腫瘍細胞はさらに鉄が蓄積しやすい状況にあります。

アルテミシニンは鉄を含んだ細胞に対して選択的に毒性を発揮するので、鉄の補充とアルテミシンの投与を合わせた治療法に、血管新生阻害剤を用いた治療を組み合わせると、さらに抗腫瘍効果を高めることができます。(Med Hypotheses. 61(4):509-11.2003 )

また、アルテミシニン誘導体自身に血管新生阻害作用があることが報告されています。
ヌードマウスに移植したヒト卵巣癌細胞の実験で、アルテミシニンは血管新生と癌組織の増殖を抑制し、副作用は認めませんでした。In vitroの実験で、アルテミシニンは0.5-50 μMの濃度で用量依存性に血管新生を抑制しました。(Pharmacology71(1):1-9.2004 )

◆ その他
○メラトニンは進行した肺がん患者に延命効果を示す(017)
○COX-2阻害剤のセレブレックス(celecoxib)はDocetaxel(タキソテール)の抗腫瘍効果を高める(018)
○非小細胞性肺がんのsecond-line, third-lineの抗がん剤治療(021)
○小細胞性肺がんに対するサリドマイドの効果(029)
 
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