酸素ナノバブル水とは

【ナノバブルは水中に安定に存在する】

ナノバブル(nanobubble)というのは、直径がナノメートル(nm)レベルの泡(bubbule)のことです。
1nm(ナノメートル)は1mm(ミリメートル)の100万分の1の長さです。1mmの100分の1が1μm(マイクロメートル)で、1μmの1000分の1が1nm(ナノメートル)です。
つまり、1μm以下のナノメートルのレベルの超微細な酸素の泡が充満した水が「酸素ナノバブル水」ということになります。

ナノバブルは,ファインバブルと呼ばれるバブル(泡)の1 種です。 ファインバブルよりも内径の大きいミリバブル(直径がミリメートルのレベル)は水中の細かい泡であり,水中を浮上して破裂します。
ファインバブルの内,ミリバブルより小さい内径100μm(マイクロメートル) 以下のマイクロバブルは,水中を浮上しながら水中に溶解し、収縮して消滅してしまいます。
一方,内径100nm 以下のウルトラファインバブルは、浮上せず水中に安定に存在します。 このようなファインバブルは直径が小さいほど、より安定性が高いことが知られています

がん細胞のシスプラチン抵抗性

図:直径がミリメートルのレベルの泡は水中を浮上して破裂する。 内径100μm(マイクロメートル) 以下のマイクロバブルは,水中を浮上しながら水中に溶解し、収縮して消滅する。 内径100nm 以下のウルトラファインバブル(ナノバブル)は、浮上せず水中に安定に存在する。(出典:NanotechJapan Bulletin Vol. 8, No. 4, 2015)

日本のシグマテクノロジー社の「マイクロナノバブル発生装置ΣPM-5」は直径2nmの酸素ナノバブルを、200京個/ml(2 x 1018/ml)の高濃度で作成できます。
nmレベルの泡は通常の光学顕微鏡では見ることができません。そこで、試料冷却機能付きの透過型電子顕微鏡(クライオ電顕)を使用して、この装置で作成された酸素ナノバブルの大きさが解析され、直径が2?3nmの酸素ナノバブルが、1cc中に200京個存在することが証明されています。 京(けい)は兆の1万倍です。つまり、2?3nmの酸素ナノバブル(酸素を含んだ超微小な泡)が1cc(1ml)中に1兆個の200万倍も存在することを意味します。

ナノバブル発生装置 ΣPM - 5

a)ナノバブル水(100 倍希釈)     (b)純水(比較サンプル)
ナノバブルの観察例(クライオ電顕で観察した電子顕微鏡像)
(出典:NanotechJapan Bulletin Vol. 8, No. 4, 2015)


しかもこのナノバブルは純粋な水と酸素以外は何も含みません。 他のナノバブルは微細な泡を安定化させるために界面活性剤などを使用しています。しかし、この装置では水撃法という特殊な方法で作成しており、水と酸素以外は何も含まないナノバブルが作成されています。

酸素ナノバブル水はナノバブルの大きさが小さいほど安定で、組織内浸透も良いと言えます。 したがって、この「極微小」「高濃度」の酸素ナノバブル水をがん治療に応用する価値はあると思います。

◎がん組織の低酸素を改善する方法として、酸素ナノバブル水の効果が注目されています。詳しくはこちらへ:

注意:
酸素ナノバブルの効果は人間のがん患者さんを対象にした臨床試験で証明されたものではありませんし、医薬品でもありません。 しかし、「がん組織の低酸素状態を改善する」ことが、がんの治療に極めて有用であることは、多くの基礎研究で明らかになっています。 私が行っている「ミトコンドリアを活性化して活性酸素の産生を高めてがん細胞を自滅させる」という治療法(酸化治療)は、がん組織が低酸素状態では効果が低下します。
がん組織の低酸素状態を改善する方法として高圧酸素療法や酸素吸入のような方法もありますが、より簡便で安全な方法として酸素ナノバブル水に注目した次第です。水と酸素だけで作られ、他の成分は存在しません。 副作用は全くなく、費用もそれほど高価でないので、試してみる価値はあるという結論で推奨しています。

酸素ナノバブル水は10Lあるいは20Lのビニール容器に入った状態で送られてきます。コックを装着して、コップに移して飲用します(下の写真参照)

断ボールの中にビニール容器に酸素ナノバブル水が入っています。 コックが入っています。 容器のキャップを外します。
コックを装着します。 コックを段ボールの穴から出すようにして段ボールを閉めて、コックが下になるように横にします。 コックの装着法と使用法。コックを開くと内容液(酸素ナノバブル水)が出てきます。

シグマテクノロジー社のナノバブル発生装置ΣPM-5:(YouTube)
高圧送液により気液混合を加圧し、水撃法で効率的にマイクロ・ナノバブルを生成しています。(加圧溶解方式+水撃方式)