水素泡を使った洗顔・洗髪
【紫外線を浴びると肌のシミやシワが増える】
紫外線を多く浴びて黒くなった肌は健康そうにみえます。わざわざ日焼けサロンで肌を焼く人もいます。しかし、紫外線は皮膚の老化を促進し、肌のシミやシワを増やす作用があります。それは、紫外線が皮膚に当たると活性酸素が発生し、皮膚の細胞が酸化するからです。
活性酸素というのは化学反応性が亢進した酸素由来の分子で、細胞のタンパク質や脂質やDNAを酸化して老化を促進するのです。
「体の成分が酸化する」とは「体が錆びる」ことです。 鉄が赤茶色に錆びるのも、タイヤやゴムが古くなると弾力性を失ってボロボロになるのも、酸化が原因です。このように体の成分も酸化すると錆びて硬くなるのです。
私たちの体内では、呼吸によって取り入れられた酸素の一部が「活性酸素」と呼ばれる酸化力の強い分子に変化しています。この活性酸素が体の成分を酸化し、がんをはじめとする様々な生活習慣病や慢性疾患、さらには老化そのものの大きな要因であることが明らかになっています。
年齢とともに顔のシミやシワが増えてきます。これは皮膚の老化ですが、この老化現象を引き起こしているのが、活性酸素による皮膚細胞の酸化です。紫外線だけでなく、体内で発生する活性酸素も皮膚の老化を促進しています。
図:太陽から照りつける紫外線は、皮膚や毛髪に活性酸素を発生させ、細胞を酸化してダメージを与える。その結果、肌のシミやシワやたるみ、髪の毛のダメージを引き起こす。肌や毛髪を若々しい状態に維持するためには、活性酸素の害を防ぐことが大切。
【体内では電子の争奪が行われている】
全ての物質は原子からできています。原子というのは物質を構成する最小の単位であり、原子核を中心にその周りを電気的に負(マイナス)に帯電した電子が回っているという形で現されます。 通常、電子は一つの軌道に2個づつ対をなして収容されますが、原子の種類によっては一つの軌道に電子が一個しか存在しないことがあります。このような「不対電子」を持つ原子または分子をフリーラジカル(遊離活性基)と定義しています。
本来、電子は軌道で対をなっている時がエネルギー的に最も安定した状態になります。そのためにフリーラジカルは不安定で、他の分子から電子を取って自分は安定になろうとします。フリーラジカルとは、不対電子をもっているために、非常に反応性の高まっている原子や分子なのです。
活性酸素は「不対電子を持っている酸素由来の分子」で、他の物質から電子を奪って酸化するのです。
図:不対電子を持っている原子や分子をフリーラジカルという。フリーラジカルは他の物質から電子を奪って安定化するが、電子を奪われた物質(酸化された物質)はフリーラジカルとなってさらに他の物質から電子を奪うようになる。このように体内では電子の争奪が繰り返し行われている。
「酸化」するというのは活性酸素やフリーラジカルが、ある物質の持っている電子を奪い取ることを意味します。「酸化」の本来の定義は「電子を奪うこと」なのです。
一方、ある物質が別の物質から電子をもらうことを「還元」といいます。
図:ある物質が水素(電子)を奪われると「酸化された」という。逆に、水素(電子)を与えられると「還元された」という。体内ではこの電子のやり取りが繰り返し行われている。水素は電子を供給することによって、電子の争奪を止め、細胞成分の酸化を防ぐことができる。
フリーラジカルというのは、相手の電子を奪う(酸化する)性質が非常に強い物質です。DNAから電子が奪われると誤った遺伝情報が作られ、がん細胞の発生につながります。DNA以外にも、体の土台をなしている蛋白質や脂肪からも電子を奪い酸化して細胞の機能の障害を引き起こし、ひいては組織や臓器の機能の低下を招いて老化が進行し、様々な疾患を引き起こします。
体の隅々で、電子を「奪う(酸化)、奪われる(還元)」という現象が繰り返されています。この電子の争奪戦が体の細胞の老化の原因になっています。 したがって、不足した電子を供給すれば、「電子の争奪戦」を休戦に導き、体を構成する原子や分子はプラス・マイナスという電気的な安定性を取り戻し、老化を防ぐことができるのです。
この電子を供給する方法として最も効果が高いのが水素です。
【水素は生体にとって理想的な抗酸化物質】
体の酸化を防ぐにはどうしたらよいでしょうか。 それは細胞や細胞成分に電子をあたえ、酸化から還元状態に戻すことです。
酸化とは電子を失う(水素を失う)こと、還元とは電子を得る(水素と化合する)ことです。 水素は活性酸素に電子を与えます。すると活性酸素は電子を得て安定し、無害な物質に変わって、他の分子や原子から電子を奪おうとする働きを失います。そして、酸化の化学反応が止められて、それ以上、酸化が進まなくなるのです。
細胞は酸化すると錆びて、機能が低下し、皮膚ではシミやシワやたるみの原因になります。 一方、細胞の還元力が高まると、細胞は若々しく元気になり、皮膚の細胞も弾力性を維持し、美しさを増します。 つまり、水素は体内に電子を供給し、還元力を高めることによって体を若々しい状態に維持する効果を持っています。
水素(原子番号1、元素記号H)は、物質を構成する元素としては宇宙で最も量が多いのですが、地球の大気中には1ppm以下の微量しか存在しません。 水素分子(H2)は最も軽く、常温では無色無臭の気体で、非常に燃えやすい特徴を持っています。水素は大気中で5%以上になると空気中の酸素と反応して爆発します。酸素と激しく反応するということは、酸化性物質と非常に高い反応性(抗酸化作用)を持つことを意味します。
近年、水素分子(H2)の医療応用の研究が急速に進んでいます。虚血再還流障害や急性肺障害や神経変性疾患や潰瘍性大腸炎などの様々な動物疾患モデルでの実験や、2型糖尿病やメタボリック症候群など人間における臨床試験において、水素分子の有効性が示されています。
体内で発生する活性酸素は、体の構成成分を酸化することによって、老化を促進し、動脈硬化性疾患やがんなど多くの疾患の原因となっています。また、慢性医関節リュウマチや潰瘍性大腸炎などの自己免疫疾患や慢性炎症性疾患では、組織の炎症によって産生される活性酸素が疾患の進行や増悪を引き起こしています。
したがって、活性酸素の害を取り除くことは、老化関連疾患や慢性炎症性疾患の治療に有効です。
しかし、活性酸素には体に必要な「善玉」もいて、全ての活性酸素を消去すると体の機能に悪影響を及ぼす可能性もあるというジレンマがありました。その点水素は、活性酸素の中でも体の組織や細胞にダメージを与える「悪玉活性酸素(=ヒドロキシルラジカル)」だけを消去し、善玉の活性酸素の働きを妨げないことが明らかになっています。
図:活性酸素のうちスーパーオキシドや過酸化水素は生体防御などの細胞機能にも関与しているが、ヒドロキシルラジカルは細胞や組織のダメージを引き起こし、がんや動脈硬化症など様々な病気を引き起こす。水素はヒドロキシルラジカルと反応して水に変換することによって毒性の高いヒドロキシルラジカルを効率的に消去する。
水素は極めて小さいので体内のどこにでも容易に浸透できます。例えば、水素ガス(H2)の分子量は2ですが、ビタミンCの分子量は176、ビタミンEは431、コエンザイムQ10は863という大きさで、水素ガスの数十倍から数百倍の大きさです。
水素ガス以外の抗酸化物質は分子量が大きいことや脂溶性や水溶性のどちらかの性質を持つため、体の中で働ける場所が限定されます。一方、水素ガスは小さいので、血管が閉塞していても組織に浸透して働き、血液脳関門も容易に通過できるので、脳内にも到達して抗酸化作用を発揮します。
このように、水素ガスは生体にとって理想的な抗酸化物質と言えます。
水素は気体として吸入させたり、水溶液として経口投与、静脈内投与、あるいは局所投与によっても効果が発揮され、多方面で医療用途の可能性が報告されています。
ここでは、水素を大量に発生させる水素発生材を利用して水素ガスを充満した泡を作成し、肌や毛髪の酸化傷害を軽減する方法を紹介します。
【水素ガスが簡単に作れる水素発生材】
首都大学東京と日本のケミカルメーカー(株式会社パル・コーポレーション)による産学公連携の研究で、分子状水素ガス(H2)を大量に発生できる発泡水素発生材(水素発生材)が開発されました。高純度の水素ガスが簡単に作れる化学製品です。
この水素発生材の素材は全て食品添加物(アルミニウム粉末や酸化カルシウムなど)で調合され、水に沈めるだけで始まる化学反応で、純度99.9%の分子状水素ガス(H2)を水素発生材1グラムあたり500ml~600mlと大量に発生させます。
これが水素発生材です。
写真の25gで約12リットルの水素ガスが発生します。水素発生材を水に入れると水素ガスが大量に発生します。水素ガスの発生は90分以上続きます(25gの場合)。
この水素発生材は1グラム当たり500ml以上の水素ガスを発生します。1モルの水素(H2)は2グラムで、体積は22.4リットルになります(22.4リットルの中にアボガドロ数の約6x(10の23乗)個の水素分子が存在する)。したがって、25グラムの水素発生材から発生する12.5リットルの水素ガスは約1.1グラムの水素分子に相当します。現在販売されている水素水の水素分子の濃度は1ppm前後です。1ppmというのは、その水素水1リットルの中に1mgの水素分子が溶けていることを意味します。
1mg(ミリグラム)は1g(グラム)の1000分の1ですので、25gの水素発生材が発生する水素ガスの量は、市販されている水素水の約1000リットルに相当する量だと言えます。(発生した水素ガスを全て吸入できるわけではないので、あくまでも利用できる水素の量での比較です)。この水素発生剤を利用すると、水素水を作成したり、水素が充満した泡(シャンプーなどを使用)を作成できます。(下写真)
① ②③
①水槽内の水の酸素飽和度を高めるために使用するエアストーンを利用します。水素生成器で水素を発生させて、その水素をチューブを使って水の入った容器に導きます。チューブの先にエアストーンをつけると細かい水素がブクブクと出てきて、水に水素が溶存しやすくなります。
この水素が溶存した水素水で洗顔すると肌に直接水素を与えることができます。
②水の中にシャンプーを入れてかき混ぜてからエアストーンを用いて水素を注入すると、水素が充満した細かい泡ができます。
③ この水素が充満した泡で洗髪すると、髪の毛に直接水素を与えて活性酸素の害を防いでくれます。
水素が充満した微細な泡には、電子が豊富に含まれています。この水素(=電子)は肌や髪の毛の美しさと若さを保つ上で非常に強い味方になってくれます。
水素の豊富な泡で肌や頭皮をマッサージすれば、細胞の新陳代謝が活発になり、古くなった余分な物質を排出すると同時に、水素が細胞の還元力を高め、細胞成分の酸化を防いでくれます。
細胞の酸化を防ぐことは、肌や髪の毛の美しさと若々しさを保つ上で欠くことのできない大切な要素と言えます。
近年、オゾン層の破壊などによる紫外線の害が懸念されています。紫外線は皮膚に大量の活性酸素を発生さえ、これが肌荒れやシミやシワの原因となっています。
水素は活性酸素による肌や毛髪のトラブルやダメージを軽減する強い味方になります。
【水素ガスが鉄の錆びを防ぐ】
過酸化水素(H2O2)に2価の鉄イオンが作用するとヒドロキシルラジカル(・OH)が発生します。ヒドロキシルラジカルが発生しているところに鉄くぎを入れると錆びが発生します。 この実験系で水素ガスを溶液中に注入すると鉄くぎの錆び(酸化)を軽減できます。 これは、水素ガスがヒドロキシルラジカルを消去していることを示しています。
→
①オキシフル(オキシドール)は過酸化水素(H2O2)を3%の濃度で含有する溶液で、植物活力素のメネデールは園芸用品で2価鉄イオンを主体に含みます。オキシフルにメネデールを添加するとヒドロキシルラジカルが発生し、鉄くぎを入れると鉄の酸化が進行し、1日後(右写真)には多くの錆びが発生しています。 ②オキシフルにメデネールを添加してヒドロキシルラジカルを発生させ、鉄くぎを入れ、さらにエアストーンとチューブを用いて水素発生材で発生した水素を溶解させます。水素ガスは溶液中のヒドロキシルラジカルを消去して鉄くぎの酸化(錆び)を減少させます。 → 左写真が①の方法で錆びた鉄くぎです。
右写真が②の方法で水素ガスを導入してヒドロキシルラジカルの消去を行った鉄くぎです。同じ時間反応させています。右も錆びは発生していますが、錆びの量は明らかに減少しています。
体内で、酸素呼吸や炎症反応などで日常的に発生しているヒドロキシルラジカルは、鉄くぎを錆びさせるのと同様に、体内の細胞成分を酸化し、老化やがんの発生や肌の衰えを促進しています。
水素ガスの吸入はヒドロキシルラジカルを消去し、細胞成分の酸化(錆び)を減少させることができます。