○ 食事からω3不飽和脂肪酸を多く摂取する方法:
ω6脂肪酸は肉だけでなく野菜にも含まれます。したがって、一般的な食事ではω6脂肪酸が優位です。
アメリカ人の食事はω6:ω3の比が10~20になると報告されています。一方、伝統的な日本食(大豆と魚の豊富な食事)ではその比は1~2.8にあると言われています。
旧石器時代の祖先ではω6:ω3の比は1~5と言われています。
FAO/WHOはω6:ω3の比は5~10を推奨しています。
この比を低くするには、意識してω3不飽和脂肪酸の多い魚やシソ油、亜麻仁油の摂取が必要です。DHAやEPAは酸化されやすいので、品質の確かなサプリメントを利用する方が良いかもしれません。
標準的なアメリカ人はEPAとDHAの摂取は1日100mg程度と言われています。食事やサプリメントから1日500~ 1000mgの摂取が必要だと言われています。
がんの治療の場合には、ω6:ω3の比を1以下にすると抗腫瘍効果が期待できます。
がんに良い食事の場合、脂肪は全カロリーの10~15%が目安になります。1日2000カロリーとすると、200~300カロリー分の脂肪は約22~33グラムになります。その半分の約10数グラムくらいのω3脂肪酸を摂取することを目標に、肉類は極力控え、野菜はバランス良く摂取し、魚と多く食べ、DHA/EPAのサプリメントを1日数グラム摂取すれば、ω6とω3の比を1以下にできます。
極端にω3脂肪酸を多くとると、血液が固まりにくくなるなどの副作用が出ますので、この点に注意しながら、ω3不飽和脂肪酸をω6より多くなるようにすれば、がん細胞の膜に変化が起こって、がん細胞がおとなしくなる可能性があり、試してみる価値のあるがんの食事療法だと思います。
ω6/ω3比を1以下にする食事療法
1)肉は食べない。動物性脂肪はω6脂肪酸が多い。
2)野菜や果物や大豆食品(豆腐、納豆、味噌)は多く食べる。ただし、野菜にはリノール酸などのω6脂肪酸が多いので、ω3不飽和脂肪酸のα-リノレン酸の豊富なシソ油か亜麻仁油をドレッシングとして使用する。シソ油や亜麻仁油は熱を加えない。油で炒めるときはオリーブオイルを使用する。
3)背の青い魚(マグロ、サバ、ブリ、サンマ、イワシ)の刺身を食べる。
揚げ物や焼き魚は避ける。生(刺身)か煮付けで食べる。
4)サプリメントで、DHA+EPAを1日4g程度摂取する。
銀座東京クリニックでは、高品質・高含量のDHA+EPAを安く提供しています。
DHA総量25g、EPA総量5.4gで3500円です。DHA+EPAを1日4g摂取して、1ヶ月分が14,000円になります。
シソ油や亜麻仁油は食料品店で購入できます。1日10グラム摂取しても1ヶ月2000円程度です。
がんが存在する場合には、この食事療法にCOX-2阻害剤のセレブレックスを1日200mg程度の低用量を併用します。セレブレックスは1ヶ月で12,000円になります。
がん細胞をおとなしくさせるという目標で、がん細胞の細胞膜にω3不飽和脂肪酸を多く取り込ませ、少量のセレブレックスを併用すると、がん細胞の増殖活性は低下し、抗がん剤治療が効きやすくなりますので、試してみる価値はあると思います。
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