細胞増殖のシグナル伝達を阻害する抗癌漢方薬(レトルトパック)
【抗癌漢方3号方の組成と服用法】
1パック(約110ml)中に、白花蛇舌草10g、半枝蓮10g、竜葵5g、丹参5g、大棗1g、生姜1g、甘草1gを煎じた抽出エキスが入っています。
大棗・生姜・甘草は胃腸を保護し飲みやすいするために加えています。
1日2~3パックを食前か食間に分けて服用します。胃腸に刺激になるときは、水かお湯で薄めて1日数回に分けて飲める範囲で服用します。
【特徴】
◇がん細胞の増殖を抑えるためには、一つの方法では限界があります。複数の作用機序でがん細胞の増殖を抑える必要があります。 抗がん作用のある生薬の白花蛇舌草、半枝蓮、竜葵、丹参を組み合わせて抗がん作用を強めた漢方薬です。
◇煎じた液をレトルトパックに詰めているので、煎じる手間が省けて、入院中でも服用できます。レトルトパック詰めした煎じ薬は室温で2ヶ月間以上、冷蔵庫に保管すると半年間は服用可能です。
◇がんの漢方治療において実績のある銀座東京クリニックで作成した漢方薬です。多くのがん患者さんに使用した臨床経験によって、効果と安全性が確かめられています。健康食品よりも安く、かつ高い効果を発揮します。
【ご注文】
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◇1パック630円で、20パック(12600円:税込み)以上から発送できます。送料と代引き手数料が加算されますのでご了承下さい。
抗癌漢方3号方の処方依頼はこちらへ◇病状や治療の状況に応じてさらに効果を高めたオーダーメイドの漢方薬の処方も行っています。
効き目を高めたオーダーメイドの漢方薬は1日分(2パック)が1000円~1500円程度になります。
10日分の20パックから作成可能です。
オーダーメイドのレトルトパックのご希望はこちらへご質問などはメール(info@f-gtc.or.jp)か電話(03-5550-3552)でお問合せ下さい。
漢方煎じ薬のレトルトパック詰めとは
1)漢方薬を大型の釜で煎じて、煎じ薬をアルミニウム・パックに詰めます。
2)高温の状態でパック詰めして密閉するので、長期間(60日間以上)室温で保存しても、腐ったり品質が劣化することはありません。(冷蔵保存すれば半年程度の保存も可能です)
3)一度に煎じるので、品質のムラがありません。
生薬の組合せ
レトルトパック
がんに効く漢方薬は煎じ薬が一番です。 しかし、漢方薬を煎じるのは手間がかかり、特に入院中は煎じ薬を服用することは困難な場合が多いのが欠点です。この欠点を解決するのが「煎じ薬のレトルトパック詰め」です。
レトルトパック詰めの抗がん漢方薬は、入院中だけでなく、在宅でのがん治療にも有用です。
【細胞増殖のシグナル伝達を阻害すればがん細胞の増殖を抑制できる】
従来の抗がん剤は、DNAや蛋白質の合成を阻害したり、細胞分裂で重要な役割を果たす微小管の働きを阻害することによって、がん細胞の細胞分裂を阻止し、細胞を死滅させます。しかし、このような作用はがん細胞に特異的ではなく、細胞分裂を行っている正常細胞にも同じダメージを与える結果、胃腸粘膜のダメージによる食欲不振や吐き気や下痢、骨髄抑制による白血球や血小板や赤血球の減少、毛根の細胞分裂の阻害による脱毛などのつらい副作用を引き起こします。
また、細胞分裂を行っていない正常細胞に対しても、酸化障害などによって細胞がダメージを受け、肝臓や腎臓や心臓などの臓器障害を起こします。
近年、がん細胞の分子レベルでの性質が明らかになり、がん細胞に比較的特異的な増殖シグナルを抑制する「分子標的薬」という抗がん剤が開発され、その有効性が確認されるようになりました。 分子標的薬とは、がん細胞の増殖、浸潤、転移に関わる分子を標的として、がん細胞の増殖や転移を抑制することを目的に開発された薬剤です。
細胞分裂の過程に直接作用する従来の抗がん剤は、腫瘍細胞への特異性が低く、正常細胞に対する傷害性が強いため、重篤な副作用発現の多いことが最大の欠点でした。これに対し分子標的薬は、腫瘍細胞に特異的に発現している異常な蛋白質を標的とするため、腫瘍細胞への特異性が高く、副作用の程度は従来の抗がん剤に比べ比較的少ないのが特徴です。
分子標的薬のターゲットとしては、がん細胞の分裂や細胞死などの過程を調節する増殖因子とその細胞内シグナル伝達(上皮細胞増殖因子受容体やMAPキナーゼなど)、腫瘍の成長・転移を促進する腫瘍血管新生に関与する因子(血管内皮増殖因子受容体など)、細胞周期を調節するサイクリン依存性キナーゼ(CDK)などがあります。
がん細胞では、余計な増殖シグナルが常時出続けるため、増殖していきます。いわばアクセルを踏み続けている状態です。がん細胞は、アクセルを踏み続けていればどこまでも増殖していきますが、アクセルから足を離すと、死ぬ運命になっています。生存シグナルを遮断されたがん細胞は、増殖を止めるだけでなく、細胞死を起こしてしまうのです。
したがって、増殖を刺激しているシグナル伝達のどこかを止めてやれば、がん細胞の増殖を止め、がん細胞を死滅させることができます。
つまり、がんの分子標的薬というのは、がん細胞で活性化している増殖シグナル(増殖因子など増殖を刺激する指令)やシグナル伝達経路を阻害するような薬です。
がん細胞では、上皮成長因子(EGF)やインスリン様増殖因子(IGF)やインスリンなどの増殖因子が、細胞の受容体に結合して増殖の指令を出します。この指令は、細胞内のMAPキナーゼ(MAPK)などの蛋白質をリン酸化する酵素の活性化などによって伝えられ、細胞核のDNA(遺伝子)に作用して細胞分裂に必要な蛋白質の合成が開始されます。
がん細胞はこのような細胞増殖のシグナル伝達のスイッチが常時オン(ON)になっている状態で、分子標的薬はこの増殖シグナルをオフ(OFF)にする働きを持った薬です。血管新生のシグナルを阻害する分子標的薬もあります。
このような分子標的薬は、正常細胞に対する毒性が少ないので、今までの抗がん剤に比べると副作用は比較的少なくて済みます。絶えずオンになっていた増殖シグナルをオフにすると、がん細胞は増殖を止め、さらにがん細胞は生存を維持できないと次第に死滅していきます。
図:増殖因子と受容体の結合による増殖刺激や、炎症性サイトカインや酸化ストレスなどの刺激によって、RasやRafやMAPキナーゼ(MAPK)などのセリン-スレオニンキナーゼがカスケード状に活性化され、その結果細胞増殖や血管新生が起こる。このような細胞増殖のシグナル伝達の経路を阻害すると、がん細胞の増殖を抑制し、アポトーシス(細胞死)を誘導することができる。
【分子標的薬と類似の作用を持つ抗がん生薬】
漢方薬にがん細胞の増殖を抑える効果があると言うと、多くの人は信じないかもしれません。抗がん剤の多くが、がん細胞を死滅させると同時に、正常細胞にもダメージを与えて強い副作用を起こすのが当然であるため、漢方薬のように副作用が少ない薬は、がん細胞に対する効果も弱いと考えられるからです。
しかし、抗がん作用が見つかっている生薬や薬草から、分子標的薬と同じようなメカニズムでがん細胞の増殖を阻害する成分が見つかるようになりました。 つまり、がん細胞で活性化している増殖シグナルを抑制する成分です。
このような成分は、副作用が少なく、がん細胞の増殖を抑える薬草や生薬の抗がん作用を説明してくれます。 このような成分を多く含む薬草や生薬を組み合わせれば、副作用が少なく効果が高い抗がん漢方薬を作成することができます。
抗がん漢方薬が少ない副作用で、がん細胞の増殖を抑えることができるのは、がん細胞の増殖シグナル伝達や血管新生などの過程を阻害する分子標的薬と似た作用をもつ成分を多く含むからです。このような成分を複数組み合わせることによって、抗腫瘍効果をより高めることができます。以下のような薬草や抽出成分が役に立ちます。
白花蛇舌草(ビャッカジャゼツソウ)
白花蛇舌草(ビャッカジャゼツソウ:Oldenlandia diffusa)は本州から沖縄、朝鮮半島、中国、熱帯アジアに分布するアカネ科の1年草のフタバムグラの根を含む全草を乾燥したものです。フタバムグラは田畑のあぜなどに生える雑草で、二枚の葉が対になっています。高さ10~30cmで茎は細く円柱形で、下部から分岐し、直立または横に這います。
抗菌・抗炎症作用があり、漢方では清熱解毒薬として肺炎や虫垂炎や尿路感染症など炎症性疾患に使用されます。さらに最近では、多くのがんに対する抗腫瘍効果が注目され、多くの研究が報告されています。
白花蛇舌草の煎じ薬は、肝臓の解毒作用を高めて血液循環を促進し、白血球・マクロファージなどの食細胞の機能を著しく高め、リンパ球の数や働きを増して免疫力を高めます。
脂肪肝やウイルス性肝炎やアルコール性肝炎などの各種肝障害で傷ついた肝細胞を修復する効果もあります。
特に消化管の腫瘍(胃がんや大腸がんなど)に対して良い治療効果が報告されていますが、肺がんや肝臓がん、乳がん、卵巣がん、白血病など各種の腫瘍に広く使用され、有効性が認められています。
飲み易く刺激性が少ないので、中国では白花蛇舌草の含まれたお茶や煎じ薬はがんの予防薬や治療薬として多く使われています。
白花蛇舌草に含まれる抗がん成分として五環系トリテルペノイドのウルソール酸(Ursolic acid)やオレアノール酸(Oleanolic acid)が注目されています。 ウルソール酸とオレアノール酸はMAPキナーゼを阻害する作用が報告されています。
MAPキナーゼ (Mitogen-Activated Protein Kinase:分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼ) は、真核生物に高度に保存されているセリン/スレオニンキナーゼであり、外界刺激を伝達するシグナル分子の一つです。増殖因子やサイトカインや酸化ストレスなどの刺激を細胞が受けると、低分子量Gタンパク質であるRasが活性化され、さらにRafやMAPキナーゼなど下流に続くシグナルカスケードの活性化が引き起こされます。最近では、抗がん剤の新しい標的としてMAPKシグナルが注目されています。白花蛇舌草に含まれるウルソール酸やオレアノール酸は、MAPキナーゼを阻害することによって、がん細胞の増殖を阻害し、アポトーシスを誘導する作用が報告されています。
図:白花蛇舌草や夏枯草などに含まれるウルソール酸やオレアノール酸などの五環系トリテルペノイドは、上皮成長因子受容体(EGFR)や分裂促進因子活性化蛋白キナーゼ(MAPK)の活性化(リン酸化)を阻害して、がん細胞の増殖阻害や、アポトーシス抵抗性や血管新生の抑制など様々な抗がん作用を示す。
半枝蓮(ハンシレン)
半枝蓮 (はんしれん)は学名をScutellaria barbataと言う中国各地や台湾、韓国などに分布するシソ科の植物です。
アルカロイドやフラボノイドなどを含み、抗炎症・抗菌・止血・解熱などの効果があり、中国の民間療法として外傷・化膿性疾患・各種感染症やがんなどの治療に使用されています。黄色ブドウ球菌・緑膿菌・赤痢菌・チフス菌など様々な細菌に対して抗菌作用を示し、さらに肺がんや胃がんなど種々のがんに対してある程度の効果があることが報告されています。
漢方治療では、清熱解毒・駆お血・利尿・抗菌・抗がん作用などの効能で利用されています。
半枝蓮の抗がん作用に関しては、民間療法における臨床経験から得られたものが主体ですが、近年、半枝蓮の抗がん作用に関する基礎研究が発表されています。これらの基礎研究では、半枝蓮には、がん細胞の増殖抑制作用、アポトーシス(プログラム細胞死)誘導作用、抗変異原性作用、抗炎症作用、発がん過程を抑制する抗プロモーター作用などが報告されています。さらに人間での臨床試験も実施されるようになり、有効性を示唆する結果が報告されています。
半枝蓮はがん細胞で亢進している嫌気性解糖系を阻害してエネルギー産生を阻害する作用が報告されています。
がん細胞では、ミトコンドリアでのTCA回路と酸化的リン酸化による酸素を使ったエネルギー産生(ATP産生)が低下し、酸素を使わない嫌気性解糖系でのエネルギー(ATP)産生が亢進しています。がん細胞では、酸素が十分にある状態でも、酸素を使わない嫌気性解糖系でのエネルギー産生(ATP産生)が亢進していることを約80前にオットー・ワールブルグが発見し、ワールブルグ効果として知られています。このワールブルグ効果の理由については、いくつかの説があります。アポトーシス(細胞死)の実行にはミトコンドリアが重要な役割を果たしており、がん細胞はアポトーシスを回避するためにミトコンドリアの活性を抑えているという考えがあります。また、細胞分裂に必要な核酸や脂肪酸や蛋白質を作るために解糖系を亢進する必要があるという考えもあります。
いずれにしても、嫌気性解糖系を阻害するとがん細胞の増殖を抑え、がん細胞を死滅させることができます。がん細胞の増殖シグナル伝達を阻害すると同時に、がん細胞で亢進している嫌気性解糖系を阻害してやると、さらにがん細胞を死滅させる効果が高まります。
図:がん細胞では嫌気性解糖系が亢進している。半枝蓮にはがん細胞の嫌気性解糖系を阻害する作用があることが報告されている。
竜葵(リュウキ)
竜葵(リュウキ)はナス科の一年草「イヌホオズキ」の全草を用います、日本を含め世界の温・熱帯に広く分布しています。 茎の高さは30~90cm、葉は広卵形で、夏に小さい白花を数個つけます。果実は球形の液果で、黒豆大、熟すと黒色になります。
有毒なアルカロイドを含み、その薬理効果を利用して、抗炎症作用や抗がん作用の目的で漢方治療に使用されています。 ナス科の植物の中には有毒なアルカロイドが含まれるものがあります。ジャガイモもナス科ですが、ジャガイモの新芽に多く含まれるソラニン(solanine)は有毒で腹痛や痙攣やめまいなど引き起こすことが知られています。
ソラニンと似たアルカロイドにソラマルジン(solamargine)があります。このソラマルジンが竜葵(リュウキ)の抗炎症作用や抗がん作用の薬効成分と考えられています。 ソラマルジンががん細胞のアポトーシス(細胞死)を誘導し、抗がん剤の効きめを高めることが報告されています。
丹参(タンジン)
タンジン(丹参:Radix Salviae Miltiorrhizae)はシソ科のタンジンの根で、その薬効は約2000年前の神農本草経にすでに記載されており、中医学や漢方で古くから使用されている生薬です。
抗炎症作用や抗酸化作用や血液循環改善作用や線維化抑制効果などがあるので、慢性肝炎や心筋梗塞や腎臓疾患の治療に使用されています。
さらに近年は、丹参の抗がん作用が注目されており、丹参に含まれる抗がん成分や作用機序の報告が増えています。 丹参は抗炎症作用(シクロオキシゲナーゼ-2阻害作用)や抗酸化作用があり、多くのがん細胞に対して、増殖抑制、アポトーシス誘導、血管新生阻害、浸潤や転移の抑制、抗がん剤に対する耐性獲得の抑制作用を示すことが報告されています。
図:丹参に含まれる成分には、がん細胞のアポトーシス誘導作用や浸潤・転移の抑制、血管新生阻害作用、抗炎症、抗酸化作用など、様々な抗がん作用が明らかになっている。 丹参に含まれるタンシノン類(tanshinones)の, クリプトタンシノン(cryptotanshinone)、タンシノンIIA(tanshinone IIA) 、タンシノン I(tanshinone I)は様々な種類の培養がん細胞やマウスの移植腫瘍を使った実験で、用量依存的に細胞増殖を抑制し、アポトーシスを誘導する効果が報告されています。
正常の前立腺細胞に対してはタンシノン類は毒性を示さないことも報告されています。
また、丹参はシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)の発現を抑制し、さらに強い抗酸化作用を持つのでがん細胞の増殖や悪性化を抑制する効果が期待できます。
丹参の主要成分であるSalvianolic acid Bが上皮-間葉移行を阻止して、がん細胞の浸潤や転移を抑制する効果があることが報告されています。
Salvianolic acid Bは丹参の主要成分で生の根に約1~7%含まれています。中国の基準では、生薬として流通させるためには、Salvianolic acid Bを生の根の3%以上含むことが条件になっています。乾燥した丹参には10%以上のSalvianolic acid Bが含まれていると考えられますので、丹参を1日に20~30g程度摂取すると抗がん作用を十分に期待できるようです。
さらに、黄耆と丹参の組み合わせが、慢性疲労や倦怠感の改善に効果が期待できることが臨床試験で示されています。黄耆は免疫増強作用があり、抗がん剤の副作用を軽減する効果が報告されています。丹参は抗がん作用があります。
黄耆と丹参の組み合わせが、TGF-β/Smadのシグナル伝達によって活性化される肝臓がんの浸潤能を阻害する作用も報告されています。
したがって、抗がん剤や放射線治療の副作用緩和と抗腫瘍効果の増強を目的とする漢方薬に黄耆と丹参の組み合わせは有効性が期待できそうです。
抗がん剤治療や放射線治療は、がん細胞の上皮-間葉移行を引き起こし、転移や浸潤を促進する可能性が報告されています。したがって、抗がん剤治療や放射線治療中の漢方治療に丹参を多く使用することは、がん細胞の上皮-間葉移行の抑制による転移が浸潤の予防に役立つ可能性が示唆されます。
また、がんとの共存を目標とした漢方治療においても、転移や浸潤を抑制する効果は有用です。
丹参は、造血機能を高める補血作用や、血液循環を良くする作用、抗酸化作用などの効果もあるので、がん治療中や治療後の再発予防、進行がんの治療などにおいて有用な生薬と言えます。
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