出版社 : NextPublishing Authors Press (2023/11/2)
オンデマンド (ペーパーバック) : 134ページ
ISBN-10 : 4802084633
ISBN : 978-4802084635
価格:1600円+消費税
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「標準治療」というと、有効性のエビデンス(証拠)が確立されている治療法だと多くの人は思います。しかし、抗がん剤治療の分野において、本当にそうなのかと疑ってみる余地は大いにあります。無駄な治療の存在や、従来の薬と効果にあまり差がないのに高額な新薬を使う傾向があるなど、抗がん剤治療には問題点が多くあります。
無駄で過剰な抗がん剤治療が最近増えています。 社会の高齢化に伴い、高齢のがん患者はますます増加しています。 標準治療は高齢者に対しても過剰な抗がん剤治療を行っていることは問題です。抗がん剤以外の選択を患者が望んだときに、患者の希望に沿うことも重要です。
抗がん剤を投与してがんが縮小すると、患者も医者も「抗がん剤の効果」を実感します。そのままがんが縮小し消滅してくれることを期待します。しかし、多くの場合その期待は裏切られます。しばらくす ると、抗がん剤が効かないがん細胞が増え出し、場合によっては初めの時よりがん細胞の増殖が速くなり、抗がん剤に対する抵抗性が強くなり、転移が促進されることもあります。
正常細胞へのダメージが強いと宿主も死にます。宿主が死なないレベルの抗がん剤の投与量ではがん細胞を全滅できないのが、細胞毒を使った固形がんに対する抗がん剤治療に限界がある理由です。
抗がん剤治療や放射線治療では、抵抗性の高いがん細胞が選択的に生き残るので、再増殖したがん細胞は初めのがん組織より治療抵抗性になっています。最近承認された抗がん剤の半分以上は、生存期間の延長や生活の質の改善などの臨床的有用性のエビデンス(証拠)を示していないことが明らかになっています。
医者も患者も抗がん剤に過大な期待を持っています。無駄な抗がん剤治療にしがみつき、「生活の質」と「死の質」の両方を低下させ、悲惨な終末期を迎えるがん患者さんが増えています。抗がん剤治療のやめ時を判断するためには、抗がん剤治療の真実を知ることも大切です。抗がん剤治療を止めるか続けるかを決めるのは患者本人ですが、これを判断する知識や情報が患者側にないのが問題です。
本書では、抗がん剤治療が失敗する理由を解説し、その原因に対処する補完医療についても解説しました。
さらに、抗がん剤治療の止め時を適切に判断し、終末期における「生活の質」と「死の質」の両方を良くすることの大切さを解説しました。死を早める可能性もある「無 駄な抗がん剤治療」を避けるためには、医師の言いなりにならずに、 患者自身が正しい知識を得て、もっと考える必要があります。目次
はじめに:
第1章:がん患者は抗がん剤の効果を過大評価している
- 抗がん剤治療を受けている患者数は40万人以上
- 毒ガスからスタートした抗がん剤の開発
- 抗がん剤は血液がんに効いても固形がんにはあまり効かない
- 転移がんでも抗がん剤治療で治ると思っている患者が多い
- 抗がん剤の効果を過大評価しているがん患者が多い
- がん患者はわずかな利益のために副作用の強い治療を受け入れる
第2章:延命効果が証明されていない抗がん剤が承認されている
- 米国食品医薬品局承認の抗がん剤の半数以上は臨床的有益性が証明されていない
- 多くの抗がん剤が延命効果を証明せずに承認されている
- 欧州医薬品庁が承認した抗がん剤の半分以上は有益性を示していない
- 抗がん剤の多くは生存期間や生活の質の向上に役立っていない
- 無増悪生存期間と全生存期間の相関は低い
- 抗がん剤の臨床試験には欠陥が多い
第3章:高用量の抗がん剤投与はがん細胞の増殖を促進する
- 最大耐用量投与による「最大細胞死滅戦略」の欠陥
- 高用量の抗がん剤投与は薬剤耐性がん細胞を増やす選択圧にな る
- 抗がん剤は遺伝子変異を誘発し薬剤耐性の形質の獲得を促進す る
- 高用量の抗がん剤投与は腫瘍血管の新生を促進する
- 高用量の抗がん剤投与はがん細胞の浸潤性や転移を促進する
- 抗がん剤治療は免疫力を犠牲にしている
- 抗がん剤はいずれ効かなくなる
第4章:死滅したがん細胞ががん幹細胞の再増殖を促進する
- アポトーシスは炎症反応を起こさない細胞死
- アポトーシスではカスパーゼが活性化されて細胞死を実行する
- アポトーシス細胞が増殖シグナルを残す
- 創傷治癒を促進するフェニックス・ライジング経路
- カスパーゼ3/7の遺伝子欠損マウスでは創傷治癒が阻害される
- アポトーシスを起こしたがん細胞はがん幹細胞の増殖を刺激する
第5章:抗がん剤は治療抵抗性の多倍体巨大がん細胞を増やす
- ヒト体細胞は23対の染色体を持つ
- がん細胞が遺伝子毒性の強いストレスを受けると多倍体巨大がん細胞になる
- 多倍体巨大がん細胞からがん治療抵抗性のがん細胞が産生される
- 巨大がん細胞とその子孫は従来の抗がん剤スクリーニングでは考慮されていない
第6章:抗がん剤治療が血行性転移を促進する可能性がある
- がん細胞の血行性転移にはがん細胞が血管に侵入する必要がある
- 血管侵入しているがん細胞ではアクチン制御タンパク質のMenaの発現が亢進している
- がん細胞の血管内侵入にはマクロファージの手助けが必要
- TMEM は血行性転移のリスクを評価する
- 乳がんの術前補助化学はがん細胞の転移を誘発する
第7章:抗がん剤治療の有効性を高める補完医療
- セレコキシブ(celecoxib)は COX-2の選択的阻害剤
- 糖尿病治療薬メトホルミンは抗がん剤の抗腫瘍効果を高める
- シンバスタチンはがん細胞の増殖シグナルを抑制する
- 断酒薬ジスルフィラムはがん幹細胞の抗がん剤耐性を阻止する
- ヒドロキシクロロキンはオートファジーを阻害する
- 2-デオキシ-D-グルコースはがん細胞の解糖系を阻害する
- ジクロロ酢酸ナトリウムはミトコンドリアを活性化する
- ドコサヘキサエン酸はフェロトーシスを増強する
- ケトン体を増やせばがん細胞は死滅する
第8章:抗がん剤の臨床試験では安全性は軽視されている
- 抗がん剤の臨床試験では生活の質への悪影響は軽視されている
- 臨床的に意味のある生活の質の改善を示す抗がん剤は1割程度
- 最近は抗がん剤の副作用で苦しむ患者が増えている
- 進行がんの抗がん剤治療の延命効果はわずか
- 副作用の少ない抗がん剤治療の開発が困難な理由
- 「がんの名医」ほど過剰治療をしがち
第9章:終末期の抗がん剤治療は苦しむだけで延命効果はない
- 抗がん剤治療の止め時が分らないがん患者が増えている
- 終末期の抗がん剤治療が増えている
- 抗がん剤が増えた事が終末期の抗がん剤治療を増やしている
- 多くの抗がん剤に心臓毒性が認められている
- 末期がんの抗がん剤治療は苦しむだけで延命効果はない
- 終末期近くの抗がん剤治療は死を早める
- 終末期の抗がん剤治療はホスピスケアの機会を失う
- 抗がん剤治療の副作用は年々増強している
- 日本は無駄な抗がん剤治療をやりすぎる
- 医師が最善を尽くすと最悪の結果になる
- 遺族の多くは終末期の抗がん剤治療を後悔している
文献:
おわりに: .
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