酸素力でがんを撃退する『がん酸化療法』

 

出版社 ‏ : ‎ パブファンセルフ (2025/10/29)

オンデマンド(ペーパーバック) ‏ : ‎ 187ページ

ISBN-10 ‏ : ‎ 4824610109

ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4824610102

価格:1700円(+消費税)

 

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がん細胞の代謝は特殊です。酸素がある環境でも、あえて酸素を使わず、解糖系ばかりでATPを作り続けるのです。
このがん細胞の代謝の特徴は、発見者であるドイツの生化学者オットー・ワールブルグ博士の名前にちなんで、「ワールブルグ効果」と呼ばれています。

正常な細胞にとって、酸素が十分にあることは良いことです。
ミトコンドリアが活発に働き、細胞のエネルギー産生が高まり、免疫細胞の攻撃力も増します。とくに、がん細胞を攻撃するナチュラルキラー細胞やキラーT細胞は、酸素が豊富な環境で最もよく働きます。

一方、がん細胞にとって酸素は“毒”になります。酸素を多く取り込むと、がん細胞内で活性酸素が大量に発生し、細胞が自ら壊れていくのです。

つまり、酸素は正常細胞の味方であり、がん細胞の敵なのです。 この違いを利用するのが、「がん酸化療法」です。

ミトコンドリアの酸素呼吸を促進し、正常細胞を活性化しながら、がん細胞を酸化ストレスで弱らせる。それが、この新しい治療の考え方です。

最近の研究では、酸素や酸化ストレスを適切に利用することで、がん細胞だけを選択的に攻撃できる可能性が明らかになってきました。 酸素は、生命を支えるだけでなく、がんを倒すための武器にもなるのです

この本では、酸素がどのようにしてがん細胞を追い詰めるのか、
そして “酸素の力”を利用してがん細胞を死滅する具体的な方法を、わかりやすくお話ししていきます。

 

目次

 

はじめに

第1章:酸素ががんを死滅する

・酸素は放射線治療の効き目を高める

・低酸素は抗がん剤の効き目を弱める

・がん細胞は抗酸化力を高めて治療抵抗性になる

・酸化ストレスを高める方法はがん治療法として有望

・酸化ストレスでがん細胞を死滅する酸化療法

第2章:低酸素はがん細胞の 悪性度を高める

・がん細胞は増大するために自前の血管を作っている

・がん組織には低酸素の領域が多くできる

・がん組織の低酸素はがん細胞を悪化する

・低酸素はがん幹細胞を増やす

・低酸素になると低酸素誘導因子-1が活性化される

・HIF-1活性が高いがん細胞は浸潤・転移しやすい

・低酸素のがん細胞は治療に抵抗性になる

・肺機能が低下したがん患者は予後が悪い

 

第3章:酸化ストレスの2面性

・体内では電子がやり取りされている

・ミトコンドリアで活性酸素ができる

・活性酸素は老化や発がんの原因となる

・がん細胞のミトコンドリアは活性酸素が出やすい

・酸化ストレスには良い面と悪い面の2面性がある

 

第4章:がん細胞は酸素を嫌う生き物

・がん細胞はグルコースの取込みが亢進している

・細胞レベルでは酸素が無くても生きていける

・がん細胞は酸素を使わない生き物

・がん細胞は乳酸産生が増えている

 

第5章:有酸素運動と高気圧酸素療法はワールブルグ効果を是正する

・ワールブルグ効果はがん細胞の生存と増殖を助ける

・ワールブルグ効果の是正はがん細胞の増殖を抑える

・有酸素運動は腫瘍組織の低酸素状態を改善する

・がん組織の酸素分圧を高める高気圧酸素療法

・がん細胞に酸素を使わせるがん治療とは

 

第6章:ケトン食は好気的解糖を是正する

・食物を分解してエネルギー(ATP)を作っている

・ATPはグルコースや脂肪酸やアミノ酸から作られる

・人間は水だけで1ヶ月以上生きられる

・絶食すると体脂肪が燃焼する

・絶食するとケトン体が増えてくる

・ケトン体は体の生理機能に有用な体内代謝産物

・ケトン食は断食と同じメカニズムでがん細胞を死滅する

・糖質制限より抗腫瘍効果が高いケトン食

・β-ヒドロキシ酪酸は遺伝子発現を制御する

・ケトン食はがん細胞の酸化ストレスを増強する


第7章:ジクロロ酢酸ナトリウムはミトコンドリアの代謝を活性化して酸化ストレスを高める

・がん細胞は酸化的リン酸化が抑制されている

・がん細胞では酸素があっても解糖系が亢進している

・ミトコンドリアを活性化にすると乳酸産生が抑えられる

・低酸素誘導因子-1(HIF-1)が酸素呼吸を抑制している

・ジクロロ酢酸ナトリウムは ピルビン酸脱水素酵素キナーゼを阻害する

・ジクロロ酢酸ナトリウムはHIF-1の活性を抑制する

・がん細胞のミトコンドリアを活性化すると 活性酸素によって死滅する

・ジクロロ酢酸ナトリウムの使用法

第8章:メトホルミンは呼吸鎖を阻害する

・グルコースがピルビン酸になる反応を解糖という

・ピルビン酸はミトコンドリアで代謝される

・電子伝達系でATPが合成される

・メトホルミンはミトコンドリアの活性酸素を増やす

・ジクロロ酢酸ナトリウムとメトホルミンの相乗効果

 

第9章:メトホルミンは物質合成を阻害する

・代謝には異化と同化がある

・AMP活性化プロテインキナーゼはATP低下を感知する

・メトホルミンはミトコンドリアのATP産生を低下してAMP活性化プロテインキナーゼを活性化する

・メトホルミンはAMPKを活性化して脂肪酸合成を抑制する

・メトホルミンは様々ながんで抗腫瘍効果を発揮する

・再利用薬を用いたがん治療とは

 

第10章:5-アミノレブリン酸はがん細胞の酸化傷害を 増強する

・ヘモグロビンは鉄を使って酸素を運ぶ

・5-アミノレブリン酸はヘム合成を促進する

・5-アミノレブリン酸はミトコンドリアを活性化する

・5-アミノレブリン酸は光線力学療法に使われる

・ミトコンドリアDNAが傷害を受けると細胞周期は止まる

・5-アミノレブリン酸はがん細胞を酸化傷害で死滅する

・5-ALAは温熱療法や免疫療法の効果を高める

・ミトコンドリアの活性化はがん治療の効果を高める

 

第11章:断酒薬ジスルフィラムはがん細胞の酸化ストレスを増強する

・がん幹細胞はアルデヒド脱水素酵素が増えている

・アルデヒド脱水素酵素は酸化ストレスを軽減している

・アルデヒド脱水素酵素は抗がん剤耐性を引き起こす

・ジスルフィラムはアルデヒド脱水素酵素を阻害する

・ジスルフィラムはがん細胞の酸化ストレスを高める

・ジスルフィラムはプロテアソームを阻害する

・ジスルフィラムは抗がん剤治療の抗腫瘍効果を高める

・ストレスを高めるがん治療とは

 

第12章: 2-デオキシ-D-グルコースはがん細胞の糖依存性代謝を断ち切る

・2-デオキシ-D-グルコースはグルコースの誘導体

・2-DGはペントースリン酸経路を阻害する

・グルコース誘導体の抗がん作用

・2-デオキシ-D-グルコースは抗がん剤治療や放射線治療の効き目を高める


・抗がん剤治療に2-デオシキ-D-グルコースを併用すると抗腫瘍免疫が誘導される


・2-デオキシ-D-グルコースの服用法と毒性について


 

第13章:アルテスネイトは鉄介在性の細胞死(フェロトーシス)を誘導する

・フェロトーシスは鉄介在性の細胞死

・アルテミシニン誘導体はヘムや鉄と反応して活性酸素を産生する

・鉄よりヘムの方がアルテスネイトの抗がん作用を増強する

・5-アミノレブリン酸はヘムの合成を亢進してアルテスネイトの抗腫瘍効果を増強する

・アルテスネイトの抗腫瘍効果はポルフィリンが必要

 

第14章:高濃度ビタミンC点滴はがん細胞内で活性酸素を増やす

・高濃度のビタミンCは酸化剤として作用する

・高濃度ビタミンC点滴はアルテスネイトのフェロトーシス誘導を増強する

 

第15章:がん酸化療法のまとめ

・2-デオキシ-D-グルコース+メトホルミン+ ジクロロ酢酸ナトリウム+ケトン食の相乗効果

・がん細胞の酸化還元バランスの破綻を目指す酸化療法



おわりに

 

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