漢方治療で抗がん剤の副作用を克服 

Kさん(65歳、男性)は2年前に大腸がんの切除手術を受けましたが、1年半程して、両方の肺に多数の転移が見つかり、抗がん剤治療を受けることになりました。元来、虚弱体質で体力に自信がなかったKさんは、抗がん剤治療に耐えられるか不安でした。そこで、体力や免疫力を高めて、抗がん剤の副作用を克服することを目的に、抗がん剤治療の開始前から漢方治療を受けることにしました。
抗がん剤の副作用を軽減することが報告されている十全大補湯(構成生薬:高麗人参・黄耆・蒼朮・茯苓・当帰・芍薬・川芎・地黄・桂皮・甘草)をベースにして、血液循環を良くして正常組織の修復を高める作用のある生薬(紅花・桃仁・牡丹皮・丹参)などを加えた煎じ薬を服用してもらいました。
同じような抗がん剤の投与を受けている他の人が、食欲低下や全身倦怠感・体力低下などの副作用が強く出て苦しんでいるのに、Kさんはいたって元気で、治療を行なった主治医も驚くほど副作用は軽度で、予定の抗がん剤投与を無事終了しました。

がん治療において漢方治療が最も効果を発揮するのは、抗がん剤治療と併用した場合です。体の抵抗力や免疫力を高める漢方治療は、抗がん剤の副作用を軽減し、しかも抗腫瘍効果を高めます。がんの治療を受けているときには、むしろ積極的に漢方治療を受けたほうが良いといえます。

がんの治療において、がん細胞を取り除くという手段においては、手術や化学療法や放射線療法など西洋医学の治療法が確実です。しかし、がん細胞を小さくすることだけを目標にしても、必ずしも延命効果やQOLの改善が得られるとはかぎりません。がんは小さくなったが治療の副作用で患者も亡くなったということが現実に多く起こっています。

がん細胞を攻撃することを目的とする手術や放射線や抗がん剤は、がん細胞だけでなく正常な細胞や組織も傷つけてしまうため、耐えがたい副作用により死期を早めたり、がんの転移や再発を促進することもあります。

免疫療法を受ける場合も、栄養の消化吸収や血液循環や新陳代謝など体の状態が悪いと免疫力を十分上げることはできません。残念ながら、西洋医学には、抗がん力(がんに対する抵抗力や治癒力)を高めるという考え方や有効な手段はありません。滋養強壮効果や免疫力増強効果の優れた漢方薬は、 抗がん剤や放射線治療の副作用を軽減し、これらの治療効果を高め、その結果、転移や再発を予防する効果も期待できます(図)。

 

図:手術や抗がん剤治療や放射線治療は正常組織にダメージを与えて、様々な副作用を引き起こす。漢方治療は攻撃的治療の副作用を軽減し、抗腫瘍効果を高めることができる。

がん治療の結果は、「がんの強さ」と「がんに対する抵抗力(抗がん力)」のバランスによって決定します。したがって、がん細胞を取り除く攻撃的な治療(手術、抗がん剤、放射線)だけでは片手落ちであって、「治療に耐えられる体力づくり」と、「抗がん力を高める」ための治療(漢方治療、健康食品、代替医療など)を十分に活用することが大切です(図)。

西洋医学の「標準的ながん治療」も「実験的な先端医療」も、がんを攻撃することが第一の目標となっており、「体の抵抗力や治癒力を高める」ことに関してはあまり重視していません。漢方治療を含めて多くの補完医療は、体の抵抗力や治癒力を高めることにより、西洋医学的な治療の欠点や足りないところを補うことができます。このように、がんを攻撃する西洋医学の治療法と、体の抗がん力を高める漢方治療などを併用する治療を「がんの統合医療」と言っています。がんを攻撃するだけでなく、体の治癒力や抵抗力を高める治療を同時に行うことが、より効果の高いがん治療を達成することになります。

図;がんの強さが勝ると死にいたる。体の抗がん力を高めれば、回復・延命できる。がんを攻撃する治療と同時に、体の抗がん力を高める治療を併用することががんを克服するポイントとなる。これを「がんの統合医療」と言う。

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