1)COX-1を阻害せずにCOX-2のみを阻害するセレコキシブは今までの鎮痛剤より消化管出血などの副作用の頻度は少ないと考えられていますがゼロではありません。胃潰瘍などの消化管出血の既往、副腎皮質ホルモン剤や抗凝固剤の服用中、別の非ステロイド性抗炎症剤を服用している場合、高齢者、全身状態の悪い人などではセレコキシブで胃潰瘍や消化管出血を起こす可能性が高まります。腹痛・吐き気・黒色便が出現した場合には中止して診察を受けて下さい。
2)セレコキシブを服用して蕁麻疹(皮膚のかゆみや発疹)や喘息様症状などがでる場合は、薬剤に対するアレルギー反応が考えられます。服薬を中止して処方医に連絡してください。薬剤アレルギーは体質によるものであり全ての薬剤について可能性があります。アスピリンや他の非ステロイド性抗炎症剤の服用後に喘息様発作や鼻炎などのアレルギ−症状を起こした既往のある方はセレコキシブの使用は危険です。
3)非ステロイド性抗炎症剤を長期間服用していると腎臓の障害が出現することがあります。腎臓のCOX 阻害により腎臓の血流が低下して利尿作用などの腎臓の働きが障害されることもあります。腎機能障害、心不全、肝機能障害、利尿剤やACE阻害剤(降圧剤)を服用している時、高齢者はセレコキシブ服用で腎臓機能の障害が現れる可能性が高くなると考えられています。
4)稀に肝機能障害が現れることがあります。白眼や皮膚が黄色くなる(黄疸)場合、腹痛、倦怠感、吐き気などが出現した場合は、肝臓の障害が疑われますので、服薬を中止して処方医に連絡してください。セレコキシブ服用中は定期的な血液検査で肝機能のチェックして下さい。
5)セレコキシブ服用によって貧血が起こることが稀にあります。血液凝固能や血小板の数や機能には影響しないと考えられています。
6)体液の貯留や浮腫が生じることがあります。むくみや高血圧や心不全の症状がある場合には注意して使用しなければなりません。
7)アスピリン誘起性の喘息だけでなく、一般的に喘息の既往のある場合には慎重に投与します。
8)妊娠中は服用できません。胎児の動脈管の早期閉鎖を引き起こすことがあります。
9)その他、不快な症状(倦怠感、食欲不振、下痢、など)が出現する場合には、量を減らすか、しばらく中止したあとに症状が改善してから様子をみながら服用を開始して下さい。このような不快な症状が、薬と関係なく起こる可能性もあります(カゼや胃腸炎などの別の病気を併発した可能性もあります)。不明な点があれば処方医に連絡して下さい。
セレコキシブの副作用の頻度は比較的低いのですが、大量あるいは長期の服用、病気の状況、併用薬などによって副作用が出やすくなる場合があります。特に、他に薬を服用している時はその薬の種類を処方医に知らせておいて下さい。