1. 肝再生促進:正常ラット肝臓の70%を部分切除後、肝重量を経時的に対照群と比較した結果、本剤投与群は、肝再生を有意に促進した。
2. 肝細胞DNA合成促進作用:ラットの初代培養肝細胞を用いたin vitro実験系において、本剤を2μL/mL加えた群は、対照群に比較して有意なDNA合成促進を示し、それはrHGF 10pMと同程度の促進活性であった。また、ANITにより急性肝炎を惹起させたラットを用いたin vivo実験系の肝臓組織を染色し、DNA合成期の肝細胞核の割合を評価した結果、本剤投与群は対照群に比較して有意にDNA合成促進を示した。
3. 実験的肝障害抑制作用:ANITにより急性肝炎を惹起させたラットを用いたin vivo実験系で、本剤を投与した群は対照群と比較して血清中肝逸脱酵素(GPT,ALP,LAP,γ-GTP)及びビリルビン値を顕著に低下させた。
また、四塩化炭素により急性肝炎及び慢性肝炎を惹起させたin vivo実験系で、本剤を投与した群は対照群と比較して血清中肝逸脱酵素(GPT,GOT)を顕著に低下させ、肝の病理組織学的に肝障害改善を示した。
4.抗脂肝作用:前もって本剤1.2mL/kgの皮下注射を5日間行ったラットに四塩化炭素で急性肝障害処置を行った結果では、体重に対する肝重量が対照群に比べて有意な低下が見られ、3.6mL/kgの投与群では肝総脂質、肝総コレステロールの有意な低下と、それを裏付ける肝組織所見が認められ、体重も順調に推移した。
また、あらかじめ四塩化炭素で急性肝障害処置をした後、本剤1.2mL/kgを5日間皮下連続投与したとき、生化学的所見は対照群と有意差はなかったが、3.6mL/kg投与量群では肝組織学的所見において、対照群と比べて肝の小葉構造の保持が良好であった。
5.間質結合織の吸収促進作用:四塩化炭素を12週間連続投与して生じるラット肝の線維増殖に対して本剤は抑制作用を有し、また、一旦増殖した間質結合織も吸収することが組織学的に確認された。
1. 慢性肝炎及び肝硬変症に対する二重盲検比較試験
本剤の慢性肝炎及び肝硬変症に対する効果をcross Over法による二重盲検査試験法で全国124例を対象にして実施した結果、本剤投与により血清トランスアミナーゼ(GOT,GPT)値が有意に改善されることが認められた。
2. HCV-RNA量に対する作用
過去に20例の強ミノCとアセラートのみの2剤併用療法を実施しているが、それらの20例についてはC100-3抗体およびHCV-RNAの陰性化は共に認められなかった。ラエンネックを加えた3剤併用療法にて、2例の血中HCV-RNAの陰転を認めた。