梅肉エキスの抗腫瘍効果について:
梅は古くからその健康増進作用が知られており、民間薬としてのみならず、漢方では青梅を燻製した「烏梅(うばい)」が健胃整腸や滋養強壮の目的で使用されています。近年、梅のもつ機能性に関して科学的な研究が行なわれており、血流改善効果、抗酸化作用、変異原性抑制効果、ヘリコバクターピロリ菌に対する殺菌効果などが報告されています。
さらに、梅由来抽出物のミサトール(AdaBio社製)では、in vitro(培養がん細胞を使った実験)で抗腫瘍活性が示され、in vivo(生体での研究)では、犬の口腔内腫瘍や人間の癌で縮小効果が認められた例が報告されています。
In vitroの研究:
ヒト胃がん細胞株(KATO-III)、ヒト前骨髄性白血病細胞(HL-60)のようながん細胞を用いた実験で、増殖の抑制や細胞死(アポトーシス)の誘導などの抗がん作用が報告されています。抗腫瘍活性成分としてトリテルペノイド類が指摘されています。
in vivoの研究
犬の口腔内腫瘍(線維肉腫)に対して、ミサトールデリシャスの1日1包服用で、腫瘍の縮小や症状の改善が見られた症例が数例報告されています。
ヒトではミサトールデリシャス1日2包の服用で、膵臓がんや肝臓がんなどで抗腫瘍効果が報告されています(第34回群馬放射線腫瘍研究会、鈴木ら 2006年)
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