乳がんの多くは手術、抗がん剤、放射線療法、ホルモン療法による標準治療を行うことにより根治が可能です。 補完・代替医療は、1)根治治療が終了した後の再発予防、2)抗がん剤や放射線治療やホルモン療法中の副作用緩和、3)標準治療が効かなくなった進行がんや末期がんの場合に考慮します。 病状や治療の状況に応じて以下のような治療法を行います。 ○トリプル・ネガティブ乳がんの補完・代替医療についてはこちらへ ○乳がん患者の運動、食事、ハーブ、サプリメントの注意点についてはこちらへ ○抗がん剤治療による心臓毒性を軽減する補完療法についてはこちらへ: ○フェロトーシスをターゲットにした進行乳がんの治療についてはこちらへ:
乳がんの多くは手術、抗がん剤、放射線療法、ホルモン療法による標準治療を行うことにより根治が可能です。 補完・代替医療は、1)根治治療が終了した後の再発予防、2)抗がん剤や放射線治療やホルモン療法中の副作用緩和、3)標準治療が効かなくなった進行がんや末期がんの場合に考慮します。 病状や治療の状況に応じて以下のような治療法を行います。
○トリプル・ネガティブ乳がんの補完・代替医療についてはこちらへ
○乳がん患者の運動、食事、ハーブ、サプリメントの注意点についてはこちらへ
○抗がん剤治療による心臓毒性を軽減する補完療法についてはこちらへ:
○フェロトーシスをターゲットにした進行乳がんの治療についてはこちらへ:
乳がんの多くは女性ホルモンのエストロゲンによって増殖が促進されます。そのためエストロゲンの作用を弱める抗エストロゲン剤などを使ったホルモン療法が再発予防の目的に使用されます。このようなエストロゲン依存性の乳がんの場合は、エストロゲン作用をもった生薬やサプリメントの使用には注意が必要です。特に大豆に含まれるイソフラボンを多く含んだサプリメントは摂取しないようにします。漢方薬に使われる生薬やハーブの中にもエストロゲン作用をもったものがありますので、そのような知識をもって漢方薬やサプリメントを使用することが大切です。 進行がんの場合は抗がん生薬を多く用います。乳がんに対して抗腫瘍活性が経験的に知られている生薬として蒲公英、半枝蓮、白花蛇舌草、竜葵、夏枯草、莪朮、三稜、山慈姑、桑寄生などがあります。これらの抗がん生薬に、病状や体力に応じて滋養強壮薬や免疫力を高める生薬、血液循環や新陳代謝を高める生薬などを組み合せた漢方薬を服用すると、乳がん細胞の増殖を抑えると同時に、乳がんに対する抵抗力や治癒力を高めることができます。 乳がんの漢方治療についてはこちらへ: 進行乳がんに対すする半枝蓮の有効性についてはこちらへ: 乳がん治療に伴う更年期障害を緩和する漢方治療についてはこちらへ: ホルモン療法の効き目を高める生薬やサプリメントについてはこちらへ:
メラトニンは不眠や時差ぼけに使用されるサプリメントですが、免疫力や抗酸化力を高め、抗がん剤や放射線治療の副作用を軽減し、抗腫瘍効果を高めることが報告されています。ホルモン剤との併用で延命効果があることが臨床試験で示されています。 メラトニンについてはこちらへ: 乳がんの予防や治療におけるメラトニンの有効性についてはこちらへ:
乳がんはCOX-2の依存性が高いことが多いので、COX-2阻害剤のcelecoxib(商品名:セレブレックス)を併用することは有用です。セレブレックスはがん細胞の抗がん剤感受性を高め、副作用を軽減する効果も報告されています。 再発リスクが高い場合に服用すると再発予防効果が期待できます。 進行乳がんに対するアロマターゼ阻害剤を使った治療において、セレブレックスを併用すると、抗腫瘍効果を高める可能性が臨床試験で示されています。(詳しくはこちらへ) COX-2阻害剤についてはこちらへ:
抗マラリア薬として使用されているアルテミシニン誘導体製剤のアルテスネイトは、がん細胞に多く含まれる鉄と反応してフリーラジカルを発生して殺細胞作用を示すことが報告されています。 血管新生阻害作用も報告されています。特に乳がんでの有効性が報告されています。 アルテスネイトについてはこちらへ:
アブラナ科植物から見つかった抗がん成分のジインドリルメタンは、乳がん細胞に対して抗腫瘍効果を示すことが報告され、米国ではサプリメントとして販売されています。 ジインドリルメタンについてはこちらへ:
ビグアナイド系抗糖尿病薬のメトホルミン(商品名:メルビンなど)はAMP活性化プロテインキナーゼ活性を高め、インスリン抵抗性を改善する効果があるため糖尿病の治療に用いられています。最近の研究で、乳がんや大腸がんや膵臓がんなど多くのがんの予防や治療にメトホルミンが有効であることが明らかになっています。乳がんのホルモン療法や抗がん剤治療の効果を高めることも報告されています。 メトホルミンについはこちらへ:
マンゴスチンはマレー半島を原産地とするオトギリソウ科樹木で、マンゴスチンの果実の皮(果皮)には、殺菌作用、解熱作用、抗炎症作用、抗酸化作用、滋養強壮作用などの薬効があり、東南アジア地域では古くから民間薬として、感染症(赤痢やマラリアや寄生虫など)、皮膚疾患(湿疹や傷の化膿など)、消化器疾患(下痢や消化不良など)、炎症性疾患など多くの病気の治療に利用されてきました。 これらの効果は、マンゴスチン果皮に多く含まれるキサントンと言う成分の薬理作用と考えられています。 キサントンはポリフェノールの一種で、マンゴスチンからは20種類以上のキサントンが見つかっています。キサントンは他に類をみないほど強力な抗酸化作用をもっており、さらに、抗菌・殺菌作用、抗ウイルス作用、抗炎症作用、シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2阻害作用)、がん予防作用、抗腫瘍作用などが報告されています。 米国ではキサントンを多く含むマンゴスチン果皮エキスがサプリメントとして販売され、がん、動脈硬化やアルツハイマー病、アレルギー疾患など多くの疾患の予防や治療に利用されています キサントンには、エストロゲンの産生に関与するアロマターゼ活性を阻害する作用があることが報告されています。 キサントンについてはこちらへ: キサントンのアロマターゼ阻害作用についてはこちらへ:
ノスカピンは咳止めとして使用されますが、細胞分裂の時に重要な役割を果たす微小管の働きを阻害する作用があるため、がん細胞の増殖を抑える効果があります。内服で効果があり、副作用の少ないという特徴があります。 ノスカピンについてはこちらへ:
ω3系不飽和脂肪酸のドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)のサプリメントは、COX-2阻害剤の抗腫瘍効果を増強します。 DHA/EPAについてはこちらへ:
悪性腫瘍に対する免疫力の中心であるナチュラルキラー細胞活性を高める効果や、がん細胞の増殖を止める作用が報告されています。 IP6 & イノシトールについてはこちらへ:
ガルシニア・カンボジア(Garcinia cambogia)の果皮に多量に含まれる(-)-ヒドロキシクエン酸は、クエン酸より水酸基(-OH)を一つ多く持っている点が違うだけで化学構造が類似しているため、ATPクエン酸リアーゼの酵素活性を競合阻害することが知られています。ATPクエン酸リアーゼは脂肪酸を合成する酵素です。 がん細胞が増殖するためには脂肪酸合成が必要です。ヒドロキシクエン酸はがん細胞の脂肪酸合成を阻害してがん細胞を死滅させる作用があります。 ヒドロキシクエン酸についてはこちらへ:
進行がんの治療の場合、乳がんの進行状況や、体力や免疫力の状態に応じて、組み合わせを考えます。 正常細胞に対する毒性が少なく、抗がん剤のような副作用が少ないので、QOL(生活の質)を悪化させないで、乳がんの進行を抑えることが可能です。うまく効果が噛み合うと、がん組織の縮小も可能です。