早期の肺がんは手術によって根治することが可能です。しかし、肺がんの場合は、検診で見つかったような場合でも、すでに転移していて手術ができない場合も多く見られます。たとえ手術できても、再発する率が高いのが肺がんの特徴です。 手術ができない場合は抗がん剤治療が主体になりますが、抗がん剤でがんを消滅させることは困難であり、数ヶ月間の延命が期待できる程度です。最近は、分子標的薬のような新薬も開発され、一つの方法で効果が無くても、第2、第3の抗がん剤治療が用意されており、このように複数の抗がん剤治療を行うことによって治療効果があがりつつあります。 肺がんによる死から免れるためには、根治手術後も積極的に再発予防に有効な方法を実践することが大切です。 抗がん剤治療の場合も、副作用の軽減や効果増強に有効な補完・代替医療は多くあります。 進行がんや末期がんの状況でも、生活の質(QOL)の改善や延命に有効な代替医療は多くあります。標準治療の効果が出なくなって緩和治療に移行せざるを得ない場合でも、効果が期待できる代替医療を組み合わせることによって、延命することは可能です。
漢方薬によるがんの縮小効果は弱いのですが、食欲や体力や免疫力を高める効果は進行肺がんの治療にプラスになります。抗がん剤の副作用軽減や抗腫瘍効果の増強や、再発予防に効果が期待できます。 黄耆はシスプラチンの副作用を軽減し抗腫瘍効果を高める効果が報告されています。(詳細はこちらへ) 肺がんに対する抗腫瘍作用が経験的に知られている生薬として半枝蓮、白花蛇舌草、竜葵、夏枯草、莪朮、三稜、喜樹、七叶一枝花などがあります。これらの抗がん生薬に、病状や体力に応じて滋養強壮薬や免疫力を高める生薬などを組み合せた漢方薬を服用すると、がん細胞の増殖を抑えると同時に、がんに対する抵抗力や治癒力を高めることができます。 漢方治療についてはこちらへ:
メラトニンは不眠に使用されるサプリメントですが、免疫力や抗酸化力を高め、抗がん剤や放射線治療の副作用を軽減し、抗腫瘍効果を高めることが報告されています。抗がん剤や放射線治療、緩和医療と併用して延命効果があることが臨床試験で示されています。(進行肺がんに対するメラトニンの効果についてはこちらへ)
Artesunateには、抗がん剤に耐性になったがん細胞の抗がん剤感受性を高める効果があることが報告されています。抗がん剤治療にArtesunateを併用すると、抗がん剤の抗腫瘍効果を高めることができます。 進行した非小細胞性肺がんの抗がん剤治療にアルテスネイトを併用すると抗腫瘍効果が高まることが、中国で行われたランダム化比較試験で報告されています。(詳しくはこちらへ)
ノスカピンは咳止めとして使用されますが、細胞分裂の時に重要な役割を果たす微小管の働きを阻害する作用があるため、がん細胞の増殖を抑える効果があります。内服で効果があり、副作用の少ないという特徴があります。臨床試験で肺がんに対する有効性が報告されています。 ノスカピンについてはこちらへ:
ドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)のサプリメントは、COX-2阻害剤の抗腫瘍効果を増強します。 IP-6 & Inositolは、悪性腫瘍に対する免疫力の中心であるナチュラルキラー細胞活性を高める効果や、癌細胞の増殖を止める作用が報告されています。 マンゴスチン果皮エキスのキサントン-40は、他に類をみないほど強力な抗酸化作用をもっており、さらに、抗菌・殺菌作用、抗ウイルス作用、抗炎症作用、シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2阻害作用)、がん予防作用、抗腫瘍作用などが報告されています ウクライン(Ukrain)は、免疫力を高め、腫瘍血管の新生を阻害し、腫瘍細胞にアポトーシスを誘導する作用が多くの腫瘍で確認されています。 ジクロロ酢酸ナトリウムの服用によりがん細胞のアポトーシスが起こりやすくなることが報告されています。 サリドマイドは肺がんに対する抗腫瘍効果は低いのですが、がん性悪液質を改善する効果が報告されています。