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西洋医学におけるがんの標準治療は、外科手術・放射線療法・抗がん剤による化学療法・免疫療法などを組み合わせて行われています。
このうち、手術や放射線や抗がん剤は、がん細胞だけでなく正常な細胞や組織も傷つけてしまうため、耐えがたい副作用を引き起こし、場合によっては、死期を早めたり、がんの再発を促進することもあります。
免疫療法を受ける場合も、栄養の消化吸収や血液循環や新陳代謝など体の状態が悪いと免疫力を十分上げることができません。
残念ながら、西洋医学には 抗がん力 (がんに対する抵抗力や治癒力)を高めるという考え方や有効な手段はありません。

体の栄養状態や体力を増強して、免疫力や抗酸化力など体の抵抗力を高めることは、攻撃的治療の副作用を軽くするだけでなく、治療効果を高めることができます。再発予防にも有効です
がんが進行して西洋医学で治療法がないと言われた場合でも、体に備わった抗がん力を引き出すことのできる漢方治療を活用すれば、がんの進行を抑えて延命することもできます。がん細胞を殺す効果のある抗がん生薬を用いることにより、がんを縮小させることも可能です。
このように、体に備わった抗がん力と天然薬物が持つ抗がん活性を活用して、生活の質を良好に保ちながらがんの克服を図ることが「 オーダーメイドの漢方がん治療 」の目標です。

出来合いの漢方エキス製剤ではがんに対する治療効果に限界があります。
がんの種類や治療の状況のみならず、患者さんの体力や病気の状態に応じた オーダーメイド の漢方治療により、最大限の治療効果を得ることが可能になります。
漢方も伝統的知識のみにとらわれていると時代遅れになります。
科学的研究で新たに見つかった生薬の作用を漢方治療に反映させたり、免疫力や抗酸化力などを増強する効果に優れた健康食品やサプリメントなども積極的に活用するという姿勢も大切です。
銀座東京クリニックでは、最新の科学的知識や医学的根拠に基づいた、漢方薬と健康食品やサプリメントの総合的な併用により 「体にやさしいがん治療」 を目指しています。

漢方薬を中心にしながらも、健康食品やサプリメントや西洋薬なども、それぞれの長所をいかしながら併用することによって抗がん効果を高めることを目標にしています。

漢方治療によるがん治療サポートとは;

抗がん剤や放射線治療によるがんの治療を受けているときには、体力や抵抗力を増強する治療を受けると、副作用を軽減させ、効果を増強させることができます。この目的には漢方治療は確実な効果を発揮できます。

がんの治療を受けたあと、多くの患者さんは、「がんが治った」と思ってしまいます。しかし、がんに対して西洋医学での標準的の治療を受けても、6割以上の患者さんが数年以内に再発しています。がんと診断された時点で半数以上の人は他の臓器への転移があると考えるべきです。がんの治療後に再発を予防にも、適切な漢方治療は有効です。

がんのターミナルケアーにおける漢方治療の意義:

進行がんや末期がんのQOL(Quality of life, 生活の質)の改善に漢方治療は有用です。がんの転移が広がりがん細胞の増殖を押さえることが困難になると、がんに対する積極的な治療は行わず、疼痛の緩和や栄養状態など全身状態の管理を中心とした治療(保存的治療とか緩和医療という)が選ばれます。しかし、これは医者ががん治療に対して「匙を投げた」ことであり、患者自身や家族にとって精神的な苦痛となっています。 

何も希望がない、方法がないという絶望感や不安感は免疫力を低下させるだけでなく、生きる力も失わせて死期を早めます。患者さんや家族の精神的なケアーにおいて、希望をもってもらうことは非常に重要なことです。自分にはこれが効くかもしれないという期待感と生きる希望を持つことができるだけでも、末期がん患者の精神面でのQOLの改善に役立ちます。

全身状態の改善や生命力をサポートするという目的で漢方治療は多くの手段を持っており、経験的な治療効果の蓄積が背景にあるからこそ、患者と家族に期待感と希望を与えることができます。
漢方治療により食欲が出て体も楽になると、身辺の整理をする余裕も出てきます。末期がんの治療においては、結果のみならずその過程が大切で、最後まで人間らしく、回りの人に後悔を残さないためにも末期医療に漢方治療を取り入れる意義はあると思います。 患者さんの病状や治療の状況に応じて処方したオーダーメイドの漢方薬をレトルトパック詰めした煎じ薬は、がんの末期医療やホスピスでの診療でも有用です。

Q:銀座東京クリニックの漢方がん治療の特徴は何ですか?

「体の治癒力を高める漢方医学の伝統的知識」に「漢方薬の科学的な研究成果」と「がんに関する西洋医学の最新知識」を統合した「根拠に基づく漢方がん治療」を行ってます。免疫力や抗酸化力や抗がん作用の優れた健康食品やサプリメントも必要に応じて併用することにより「体にやさしいがん治療」を目指しています。

Q:どのような効果があるのですか?

がん患者さんの自覚症状の改善と体力増強に効果があります。体の抵抗力や自然治癒力を高めることにより、西洋医学の攻撃的治療に耐えられる体をつくり、副作用を予防できます。がん細胞の増殖を抑える生薬を併用することにより、がんの縮小や延命効果も期待できます。ウイルス性肝炎のようにがんの発生の危険度が高い状態でもがんの発生を予防したり遅らせたりできます。

Q:進行したがんには効果がないのですか?

進行したがんを縮小させたり消滅させる効果は弱いと言わざるを得ません。しかし、体に備わった抗がん力を引き出し、抗がん作用をもった生薬を併用すれば、体に負担をかけずにがん細胞の増殖を抑えることができ、がんと共存した状態で延命もできます。体にうまく合えば、がんの縮小を認めることもあります。また、全身状態をよくして、生活の質を高めることができます。

Q:漢方薬の服用の仕方を教えて下さい?

漢方治療には、天然薬物の生薬を煮出した煎じ液を飲む場合と、煎じ液を工場で粉末にしたエキス製剤を使用する場合があります。いろんな理由により、煎じ薬の方が効き目が高いことがわかっていますので、当クリニックでは煎じ薬を処方することを原則としています。複数の生薬を組み合わせた漢方薬の1日分を600cc〜1000cc程度(生薬の量により変わる)の熱水で30〜60分ほど煮出して成分を抽出し、その煎じ液を2〜3回に分けて服用します。胃に何も入っていない食前(食事30分くらい前)か食間に飲むのが良いのですが、飲み忘れたり胃がもたれる場合は、食後でも構いません。
家で煎じることが困難な場合は、クリニックで煎じてレトルトパックに詰めてお送りできます。

Q:健康食品やサプリメントを併用すると漢方治療の効果が上がりますか?

食品や薬草などから健康改善に役立つ様々な成分が見つかり、健康食品やサプリメントとして開発されています。これらの中には、免疫力や抗酸化力を増強させる効果や抗がん活性の優れたものもあります。漢方薬に使われている生薬は天然に近い形でしか使用しませんが、もし科学的な加工や精製によって優れた効果が引き出せるのであれば、伝統的な使用法だけにとらわれることなく、それらを積極的に活用する姿勢も大切です。漢方の理論の中で健康食品やサプリメントを適切に使用すると、漢方薬の効き目を高めることもできます。

Q:副作用はあるのですか?

ちゃんとした診察の上で専門家が処方すれば、基本的に大きい副作用はありません。食事アレルギーと同じように生薬に対するアレルギー反応によって皮膚の発疹やかゆみなどが出現することがありますが、服用の中止で改善します。体が薬に反応して効いてくる過程で、倦怠感などの自覚症状がでることがありますが、多くは自然に消失します。生薬について適切な知識をもった医師の処方であれば、がんの進行を促進することはありませんし、西洋医学の治療を妨げることもありません。

Q:漢方がん治療の効果について、いつどのように判定するのですか?

通常は漢方薬服用後1〜3ヶ月くらい経ってから判定しますが、進行がんの場合には1〜2週間後に評価しながら処方を修正していきます。評価としては、まず自覚症状の改善があるか否かが大切です。免疫力や体力がついてくると倦怠感や疲れやすさが軽減し食事がおいしくなります。免疫力の上昇はリンパ球の数や機能を見ることで判定します。さらに血液一般検査の結果や、がんに由来する物質(腫瘍マーカー)を測定し、その増減を見ることで判定します。最終的にはレントゲンや超音波検査などによる画像診断が最も大切です。

Q:漢方がん治療を受けるには主治医の許可が必要ですか?

まず受け持ちの先生(主治医)の了解を頂き、がんの状態や治療内容を記載した診療情報提供書(紹介状)を書いてもらうのがベストです。しかし、西洋医学一辺倒の医者の中には、漢方薬や健康食品などの代替医療を否定することが多いのが実情です。治療法選択の決定権は患者さん側にあるのですが、主治医が漢方治療を認めない場合とか、主治医に相談しにくい場合もあります。そんな場合には、治療の状況がある程度わかれば、主治医の治療方針を妨げない漢方治療をこちらの判断で提供できます。
がん患者さんの多くが、治療中に主治医に無断で健康食品やサプリメントを摂取しているという報告があります。乏しい知識で健康食品やサプリメントをがん治療中に用いると、場合によっては悪い影響を及ぼすこともあります。西洋医学のがん治療に詳しい医師による漢方治療や健康食品の指導は安心感が得られるはずです。

Q:抗がん剤や放射線療法を受けているときに漢方薬を服用しても大丈夫ですか?

ある種の抗酸化物質や植物成分などが、ある特定の抗がん剤の作用を妨 げることが報告されています。従って、抗がん剤治療中には、健康食品やハーブなどを控えるように指導される場合もあります。しかし、多くの場合において、免疫力増強作用や抗酸化作用のある漢方薬や健康食品やサプリメントは、抗がん剤や放射線治療の副作用を軽減し、効果を高めることが報告されています。漢方薬や健康食品と抗がん剤の相互作用について知識のある医師であれば、抗がん剤治療中にも安心して漢方治療を受けることができます。

Qなぜ自由診療なのですか?

保険診療の枠の中でも、がん治療に漢方薬を利用することはできます。しかし、抗がん活性をもった生薬の多くは保険適応外であるため、がんに対する効き目を高める場合には、保険診療の枠の中では限界があります。また、「予防」というのは保険診療の対象にはなりませんので、再発予防の目的では保険を使って漢方薬を使用できません。
費用が高ければ経済的に続かなくなりますが、保険診療にこだわると効果が十分に得られないというジレンマがあります。効果を高める点では、自由診療の方がフレキシブルに対応できるメリットがあります。自由診療でも副作用予防や再発予防の目的であれば、1ヶ月分の漢方薬代は2〜3万円程度ですみます。


漢方薬は天然薬物(生薬)を組み合わせて作る:

西洋医学も、つい100年程前までは、主として天然物を薬として用いていました。しかし、再現性と効率を重んじる近代西洋医学では、作用が強く効果が確実な単一な化合物を求める方向で薬の開発が行われてきました。すなわち、活性成分を分離・同定し、構造を決定して化学合成を行ない、さらに化学修飾することによって、活性の強い薬を開発してきました。

一方、漢方では、複数の天然薬を組み合わせることによって、薬効を高める方法を求めてきました。漢方治療の基本は、症状に合わせて複数の薬草(生薬)を選び、それを煎じた(熱水で抽出した)エキス(煎じ薬)を服用することによって病気を治します。

西洋薬のほとんどは単一成分ですが、漢方薬は多くの薬効成分が含まれているのが特徴です。西洋薬のような特効的な効き目は無いのですが、体に優しく作用して、西洋薬にない特徴を持っています。



生薬とは:

人類は長い歴史の中で、身の周りの植物・動物・鉱物などの天然産物から、病気を治してくれる数多くの「薬」を見つけ、その知識を伝承し蓄積してきました。このような自然界から採取された「薬」になるものを、利用しやすく保存や運搬にも便利な形に加工したものを生薬(しょうやく)と言います。

たとえば、高麗人参は7月頃に真っ赤な成熟した実をつけるウコギ科の植物です(1)。通常、播種から4〜6年の根を薬用に用います(2)、根を湯通しして乾燥させ(3)、刻んだもの(4)が生薬の人参(ニンジン)です。その成分や品質は日本薬局方で基準が決められおり、その基準に合うものが医療用の生薬として流通しています(5)。煎じ薬を作成するときは、このような基準を満たす品質の確かな生薬を使用します。


漢方煎じ薬とは:

煎じ薬とは生薬に含まれる様々な有効成分を熱湯で抽出した内服用の水剤(のみ薬)のことです。生薬に含まれる成分をお湯で煮出すことを「煎じる」といい、刻んだ生薬(キザミ生薬)を煎じて、生薬の成分を煮出したスープ状の液を「煎じ液」といいます。具体的には、土瓶やホーロー鍋などで1日分ごとに分包してある漢方薬を水から火にかけ、煮詰めたのちに煎じかすを取り去った煎じ液を1日に2−3回に分けて空腹時に飲むことになります。本来の漢方薬はこのようにして、キザミ生薬を煮出した煎じ薬として服用します。煎じ薬は面倒だという先入感がありますが、実際に試してみるとそれほど手間はかかりません。一般的な煎じ方を以下に示します。

(1)漢方薬は十数種類の生薬を組み合わせて作ります。生薬の種類や量は患者さんの病状や体質に合わせて決めます。 (2)煎じる容器の中に生薬1日分と水を入れます。容器は土瓶、ホーロー鍋、耐熱ガラスなどを用います。 (3)30〜50分程度煎じます。

(4)熱いうちにカスを濾して、煎じ薬だけを別の容器に移します。

(5)出来上がった煎じ薬を2〜3回に分けて食前か食間に服用します。

生薬の詳しい煎じ方はこちらをクリックして下さい 

漢方薬は抗がん力を高める成分の宝庫

がん治療に使用する漢方薬は、100種類以上ある生薬から、6〜20種類程度の生薬を選んで作製します。生薬の組み合わせは、患者さんの体質や病状、治療の状況に応じてオーダーメイドに決定します体力や免疫力を高めると同時に、自覚症状を改善し、がん細胞の増殖を抑えることによって、生活の質(QOL)を良くし、延命することを目標にします。抗がん力を高め、がん細胞の増殖を抑える生薬が多数用意されています。

1.胃腸の調子を整え、体力と免疫力を高める補気・健脾薬
 人参・紅参・黄耆・白朮・蒼朮・山薬・甘草・大棗・茯苓・蓮肉など
2.栄養を改善して抵抗力を高める補血薬
 当帰・芍薬・地黄・川きゅう・何首烏・阿膠・枸杞子・竜眼肉など
3.体の潤いを増す滋陰薬
 麦門冬・天門冬・山茱萸・五味子・地黄・玄参など
4.体の機能の停滞を改善する理気薬
 陳皮・枳実・香附子・木香・蘇葉・薄荷・柴胡・半夏・厚朴など
5.組織の血液循環を良くする駆お血薬
 桃仁・牡丹皮・赤芍・紅花・牛膝・莪朮・三稜・丹参・延胡索など
6.体の水分の分布と代謝を良くする利水薬
 猪苓・沢瀉・防己・黄耆・蒼朮・白朮・茯苓・大腹皮など
7.体を温めて新陳代謝を高める補陽薬
 附子・桂皮・乾姜・杜仲・蛇床子・山椒など
8.生命力を高める補腎薬
 地黄・山薬・山茱萸・枸杞子・杜仲など
9.炎症を抑えたり解毒機能を補助する清熱解毒薬
 黄連・黄ごん・黄柏・山梔子・夏枯草・連翹・菊花など
10.がん細胞の増殖や転移を抑える抗がん生薬
 半枝蓮・白花蛇舌草・竜葵・山豆根・蒲公英・霊芝・冬虫夏草など

生薬や薬草は天然の薬です。抗がん力を高める成分の宝庫であり、これらの成分を利用することによって、体力や免疫力を高め、がん細胞の増殖を抑えることができます。

滋養強壮薬の宝庫
 高麗人参・田七人参・黄耆・霊芝など
栄養、体力、免疫力の増強
抗酸化物質の宝庫
 フラボノイド・カテキン・リグナンなど
抗酸化力の増強
血液浄化、血行改善物質の宝庫
 駆お血薬・清熱解毒薬など
解毒力・新陳代謝・治癒力の増強・抗炎症作用
抗腫瘍物質の宝庫
 アルカロイド・トリテルペンなど
がん細胞の増殖・転移の抑制、がん細胞のアポトーシス誘導

漢方薬は民間薬や健康食品と何が違う?

「漢方薬を飲んでいます」という人の中には、それがハトムギ茶であったり、ドクダミ茶であることがよくあります。アガリクスなどのキノコやハーブを使った健康食品を漢方薬と思っている人もいます。しかし、これらは「民間薬」あるいは「健康食品」であり、漢方薬ではありません。
民間薬は、下痢止めにゲンノショウコ、便秘にアロエやセンナというように、症状に合わせて飲んだり、健康増進や病気予防の目的で、お茶がわりに飲むのがほとんどです。民間薬は、薬草1種類のみで用い、服用量なども適当で、山野や道ばたに生えているものを採取しても構いません。
最近ブームになっているハーブも、ヨーロッパなどの生活に古くから根づいている民間薬で、料理や健康増進のために利用されています。朝鮮人参やウコンのような漢方で使用する薬草を製品化した健康食品も、厳密な意味では漢方薬とは言えません。

漢方薬は、病気の種類や症状や体質に合わせて、それに合うように複数の薬草を組み合わせて使うというところに、民間薬や健康食品との大きな違いがあります。つまり、オーダーメイドの薬の処方を行うという点が、漢方薬の特徴なのです。
漢方薬に使われる薬草は生薬(しょうやく)と呼ばれ、民間薬と異なり、採取の場所や時期、乾燥の仕方や品質の基準などが厳しく決められています。生薬1種類からなる単味の漢方薬もありますが、ほとんどは数種類から多いときには20種類以上の生薬を調合して作られています。

それぞれの生薬には、臨床経験に基づいた効果(薬能)がまとめられています。例えば、桂皮(けいひ)は血液循環を良くして体を温め、寒気を取る効能があります。高麗人参には、消化吸収機能を高めて気力や体力を増す効能が、昔から知られていました。これらの薬能は、人に使った経験からまとめられたものですが、現代における科学的研究によって活性成分や薬理作用も解明されつつあります。
漢方では、複数の天然薬を組み合わせることによって、薬効を高める方法を求めてきました。体質や病気の状態に合わせて複数の生薬が組み合わせて処方されます。これによって複雑な病態や症状に対処でき、また効果をより高め、かつ副作用をより少なくすることができるのです。このように、治療のために複数の生薬を配合したものを漢方薬あるいは漢方方剤といいます。

例えば、滋養強壮薬(補剤)の代表である四君子湯(しくんしとう)人参(にんじん)・蒼朮(そうじゅつ)・茯苓(ぶくりょう)・甘草(かんぞう)・大棗(たいそう)・生姜(しょうきょう)の6つの生薬からなります。
人参・蒼朮・茯苓・甘草の4つの生薬には、消化吸収機能を高め気の産生を増す作用、免疫力を増す作用があります。この4種類の生薬は穏やかに作用して優れた効能を持つので君子のようであるという意味で四君子湯の名前がついてます。
甘草は甘味料として食品にも使われており、味を整えたり複数の生薬全体を調和させる作用もあります。大棗・生姜も消化器系の働きを調整する効果を持っています。
人参・甘草は体内の水分を保持する作用があり、一方、蒼朮・茯苓は体内の水分を排出する作用(利水作用)があります。生姜は体を乾燥させる傾向(燥性)を持ち、大棗は逆に潤いを持たせます(潤性)。人参を使い過ぎると体がむくんだり血圧が上昇したりしますが、四君子湯のように「利水」の作用を持つ生薬と組み合わせて用いることにより、人参の副作用を回避することができます。
すなわち、体力や免疫力や消化管機能を高める目的で、薬用人参や茯苓などを使うときには、それぞれ単独で用いるより組み合わせて用いるほうが、副作用もなく効果を高めることができるのです。

図:四君子湯(人参・蒼朮・茯苓・甘草・大棗・生姜)は気力の低下と胃腸のアトニー症状(緊張低下)を改善する効果がある。副作用を抑えながら、その効果を最大に高めるために6つの生薬の組み合わせが長い歴史の中で見い出された。

オーダーメイドの煎じ薬とエキス顆粒製剤とは何が違う?

インスタントコーヒーのように、液状のものを粉状にする方法を用いれば、煎じ薬を粉薬にすることが可能です。具体的には、漢方薬を煎じた液を濃縮したあとに、スプレードライ法によって水分を蒸発させてエキス成分を取り出し、乳糖などを加えて粗顆粒状にしたり、カプセルに入れたり錠剤にしたものを多くの製薬会社が大量生産しています。これらを「漢方エキス製剤」といっています。薬を煎じる手間ヒマがかからず携帯に便利という長所があります。
保険が使える医療用漢方製剤として、約150種類のエキス製剤が厚生省から認可されています。その他に、薬局で手軽に手に入る一般用の漢方エキス製剤も多くの種類が販売されています。
以下の写真は医療用に保険で使用されるツムラの漢方エキス製剤です。アルミパックに1回分(2.5gから3g程度)のエキス製剤が入っています。これを水やお湯に溶かして飲むか、あるいは粉末のまま水と一緒に服用します。

エキス製剤は品質が安定しており、保管や携帯が手軽にできて使いやすいという利点がありますが、水分を蒸発させて粉末にする過程で精油成分など蒸発しやすい成分を損失してしまう欠点があります。また、処方に含まれる複数の生薬のうち、ある生薬だけを増やしたり減らしたりする、いわゆる「さじ加減」ができないという欠点もエキス製剤にはあります。

煎じ薬は手間がかかることや煎じる時の臭いが問題になることなどの短所があります。生薬は天然の物ですからその産地や天候により品質に差が出るため、使う生薬の品質により漢方薬の効果にも差が出るという問題もあります。したがって、品質の確かな生薬を用いている信頼できる漢方薬局でないと、効くものも効かないということもあります。しかし、品質の確実な生薬を用いれば、エキス剤より効果が高いのが一般的ですし、エキス製剤にない漢方薬を調合できることや、さじ加減が容易に行えてきめの細かい治療ができるなどの利点があります。

煎じる手間ヒマや煎じ薬の持ち運びの点など、現代人のライフスタイルには「漢方エキス製剤」の方が適していると思われるかもしれません。しかし、「効果」という点では煎じ薬の方が勝っているといえます。
抗がん作用をもった生薬を含むエキス製剤はありませんので、がんの漢方治療では、煎じ薬がエキス製剤の何十倍も効果があると言えます。

煎じ薬(湯液)
エキス製剤
長所 ●いわゆる匙加減ができる。
●エキス製剤にない漢方薬を調合できる。
●手間がかからず携帯に便利。
●品質がほぼ一定。
●科学的な薬効評価が可能
●保存・管理が簡単
短所 ●煎じる手間がかかる。
●科学的な薬効評価が困難(品質の不均一性)
●保存・管理に労力がかかる。
●生薬の品質が漢方薬の効果に大きく影響する。
●製剤化の過程で、水分と一緒に精油成分などの有効成分も蒸発してしまう。
●病態に合わせた適切な匙加減ができない。
●2剤を併用するとき共通する成分が重複して過量になる恐れがある。

煎じ薬(湯液)とエキス製剤の長所と短所

オーダーメイドの抗がん漢方薬のレトルトパック詰めとは:

がんに効く漢方薬は煎じ薬が一番です。しかし、漢方薬を煎じるのは手間がかかり、特に入院中は煎じ薬を服用することは困難な場合が多いのが欠点です。この欠点を解決するのが「煎じ薬のレトルトパック詰め」です。
患者さんの病状や治療の状況に応じてオーダーメイドで作成したレトルトパック詰めの抗がん漢方薬は、入院中だけでなく、在宅でのがん治療にも有用です。

レトルトパックの製造法
○漢方薬を大型の釜で煎じて、煎じ薬をアルミニウム・パックに詰めます。
○高温の状態でパック詰めして密閉するので、長期間(60日間以上)室温で保存しても、腐ったり品質が劣化することはありません。(冷蔵保存すれば6ヶ月程度の保存も可能です)
○一度に煎じるので、品質のムラがありません。
細かく刻めば表面積が大きくなり、熱水との接触面積が大きくなるため抽出効率が上がります。硬くて抽出に時間がかかる生薬(人参や霊芝など)は粉砕器で細かく粉砕すると活性成分を十分に抽出できます。軟らかい生薬でも、長く煎じると活性成分が壊れるもの(半枝連など)は、細かく刻むことで短時間の煎じですみ、活性成分を有効に利用できます。 レトルトパックの作成ではこのような工夫も行っています。

煎じ薬のパック詰めをご希望の方は、メールフォーム又は、メール(info@1ginzaclinic.com)で病状や治療の状況を記載してご相談下さい。
(費用は病状や目的によって異なりますが、通常は1ヶ月分が3〜6万円です)

 
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